熱力学第零法則

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熱力学第零法則(ねつりきがくだいれいほうそく、: zeroth law of thermodynamics)とは、「物体AとB、BとCがそれぞれ熱平衡ならば、AとCも熱平衡にある」という原則のことであり[1]熱力学における重要な法則のひとつである。ここで、熱平衡とは、2つのが、をやり取りできる状態で接しているが、状態変化が起きない状況を指す[1]

「第零法則」と呼ばれる理由は、熱力学の体系が出来上がった後、 ジェームズ・クラーク・マクスウェルが基本法則の一つとして数えたためである。温度は熱の移動する方向を示す性質であり、第零法則により温度というものが定義できるようになるほか、温度計を用いた温度の測定も正当化される[1]氷点あるいは沸点の水と温度計(例えば水銀柱)とが熱平衡にある点を基準として、セルシウス度[1]華氏などの温度が定義された。

脚注

  1. ^ a b c d P. W. Atkins 著、千原秀昭中村亘男 訳『アトキンス物理化学 上』(第6版)東京化学同人、2001年、16-17頁。ISBN 4-8079-0529-5 

参考文献

関連項目