山瀬春政

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山瀬 春政(やませ はるまさ、生没年不詳)は、江戸時代中期の本草学[1][2]薬種商[3]。通称を梶取屋治右衛門といい、如水軒と号した[1][2][3]

経歴・人物[編集]

紀州藩紀伊梶取村に生まれる[3]。本草学を稲生若水に学ぶ[3]宝暦10年(1760年)に日本で最初のの専門書『鯨志』を刊行した[3]。同書は南紀州の太地古座などで実見したセミクジラナガスクジラザトウクジラコククジラマッコウクジラなど14種を、自己の実見から得た材料によって図示し、専門的な解説を加えたものである[2][3]岡研介の『紀州産鯨について』は本書を忠実にオランダ語に訳したもので、シーボルトの日本のクジラに関する知見に役立っただけでなく、シーボルトの著書『日本動物誌』の海獣部を担当したシュレーゲルによっても参考とされた[2]

脚注[編集]

  1. ^ a b デジタル版 日本人名大辞典+Plus(講談社)『山瀬春政』 - コトバンク
  2. ^ a b c d 日本大百科全書(ニッポニカ)(小学館)『山瀬春政』 - コトバンク
  3. ^ a b c d e f 朝日日本歴史人物事典(朝日新聞社)『山瀬春政』 - コトバンク