古山師重

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古山 師重(ふるやま もろしげ、生没年不詳)とは、江戸時代浮世絵師

来歴

菱川師宣の門人。画姓に菱川を名乗ったが本姓は古山である。俗称太郎兵衛。初めは菱川を称し、後に本姓の古山を名乗った。天和から元禄の頃にかけて、絵本や好色本、枕絵組物、肉筆美人画などを手がける。浮世草子の挿絵の例として貞享3年(1686年)刊行の『好色江戸紫』五巻5冊(石川流宣作)があり、他に同じく貞享3年刊行の咄本『鹿の巻筆』五巻5冊(鹿野武左衛門作)の挿絵を描き、元禄のころには艶本『はるさめこと』一帖を著している。その画風は師宣に似ているが、少し散漫な印象を受ける。また師宣の晩年の作風に比べるとやや地味ながらも、ぼってりとした量感を持つ重厚な作風を示している。肉筆浮世絵の作としては「隅田川舟中遊宴図」(浮世絵太田記念美術館所蔵)、「桜下酒宴図」(出光美術館所蔵)、「手毬遊びの図」(熊本県立美術館所蔵)などがある。落款は「大和絵菱川師重筆」、「日本絵菱川師重筆」、「日本絵古山師重筆」などと記していることが多い。門人に古山師胤古山師政古山師継がいる。

作品

  • 「隅田川舟中遊宴図」 絹本着色 浮世絵太田記念美術館所蔵
  • 「隅田川両国橋之景」 絹本着色 浮世絵太田記念美術館所蔵
  • 「大奥花見図」 絹本着色 浮世絵太田記念美術館所蔵
  • 「桜下酒宴図」 絹本着色 出光美術館所蔵
  • 「吉原遊興図屏風」 紙本着色 6曲1双 出光美術館所蔵
  • 「吉原風俗図屏風」 紙本着色 6曲1双 奈良県立美術館所蔵
  • 「手毬遊びの図」 絹本着色 熊本県立美術館所蔵

参考文献

  • 藤懸静也 『増訂浮世絵』 雄山閣、1946年 ※近代デジタルライブラリーに本文あり。31〜32頁、51 - 52コマ目。
  • 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年
  • 吉田漱 『浮世絵の基礎知識』 雄山閣、1987年
  • 吉田漱 『浮世絵の見方事典』 北辰堂、1987年
  • 小林忠編 『肉筆浮世絵大観(3) 出光美術館』 講談社、1996年
  • 小林忠編 『肉筆浮世絵大観(5) 太田記念美術館/北斎館/板橋区立美術館』 講談社、1996年 ※67頁

関連項目