中村不二夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。KasparBot (会話 | 投稿記録) による 2015年6月8日 (月) 01:07個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (Normdaten moved to wikidata)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

中村 不二夫(なかむら ふじお、1950年 - )は、日本の詩人

来歴

神奈川県横浜市生まれ。神奈川大学法学部卒。1974年より東京在住。 恵泉女学園短期大学非常勤講師を務める(1992年から1999年)。

中村不二夫は1979年に第一詩集『ベース・ランニング』、1984年に第二詩集『ダッグ・アウト』と、スポーツをタイトルとする独自の詩世界で颯爽と登場し、第三詩集『Mets』は第一回日本詩人クラブ新人賞を受賞した。

一方で日本聖公会信徒であり日本キリスト教詩人会に所属する中村は、信仰、愛、平和を現代に問う詩世界を構築する詩集『People』、『使徒』を刊行、2007年の第六詩集『コラール』は第33回地球賞を受賞した。

中村はまた『山村暮鳥論』をはじめとする詩論集でも独自の視点で詩と詩人を広く深く捉え、詩誌「柵」で現在も連載中の『現代詩展望』では1990年代から現在までの詩と詩人の姿を浮き彫りにしている。

中村は月刊の全国詩誌『詩と思想』(当時土曜美術社、現在土曜美術社出版販売発行)の編集委員会に1985年から継続して参画し、 全国の詩人を巻き込んだ詩の革新、興隆運動の中心メンバーとして活動している。編集長を経て現在は編集委員。

また所属団体の日本詩人クラブでも、理事長、会長をつとめ、詩の普及、詩人の交流に尽力。日本現代詩人会日本文藝家協会、日本キリスト教詩人会、中島敦の会(横浜)、暮鳥会(水戸)にも所属、同人の詩誌「WHO’S」でも精力的に執筆している。

書籍

詩集

  • 『ベース・ランニング』(1979年、詩学社
  • 『ダッグ・アウト』(1984年、詩学社)
  • 『Mets』21世紀詩人叢書・第Ⅰ期4 (1990年、土曜美術社)、

  第1回日本詩人クラブ新人賞受賞。

  • 『People』(1995年、火箭の会)
  • 『アンソロジー中村不二夫』(2000年、土曜美術社出版販売)
  • 『使徒』(2001年、土曜美術社出版販売
  • 『コラール』21世紀詩人叢書・第Ⅱ期28 (2007年、同上)、

  第33回地球賞受賞。

  • 『HOUSE(ハウス)』(2012年、同上)

詩論集

  • 『<彼岸>の詩学』(1992年、有精堂出版
  • 『詩のプライオリティ』(1993年、土曜美術社出版販売)
  • 『山村暮鳥論』(1995年、有精堂出版)
  • (『山村暮鳥―聖職者詩人』に改題再版。2006年、沖積舎)
  • 『現代詩展望Ⅰ―1994~97―』(1998年、詩画工房
  • 『現代詩展望Ⅱ―世界詩の創造と条件―』(2000年、詩画工房)
  • 『現代詩展望Ⅲ―詩と詩人の紹介―』(2002年、詩画工房)
  • 『戦後サークル詩の系譜』(2003年、知加書房
  • 『現代詩展望Ⅳ―反戦詩の方法―』(2005年、詩画工房)
  • 『現代詩展望Ⅴ―詩的言語の生成―』(2007年、詩画工房)
  • 『現代詩展望Ⅵ―詩界展望―』(2010年、詩画工房)
  • 『現代詩展望Ⅶ―詩人の言語空間―』(2012年、詩画工房)
  • 『エッセイ集 詩の音』(2011年、土曜美術社出版販売)
  • 『廃墟の詩学』(2014年、土曜美術社出版販売)

  第4回秋谷豊詩鴗賞受賞

  • 『戦後サークル詩論』(2014年、土曜美術社出版販売)

出典

  • 『HOUSE』(100頁)、略歴。