レダ (栗本薫)

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レダ』は、栗本薫SF小説

概要[編集]

同じく栗本のSF小説『メディア9』などと同じ未来史に属する青春SF。理想郷のごとき未来社会を舞台として少年の成長を描く。

SFマガジン』1981年8月号から1982年10月号に連載されたのち、1983年4月30日に早川書房から単行本(ISBN 4-15-203225-1)が刊行された。のち、1988年には3分冊のハヤカワ文庫版(I:ISBN 4-15-030268-5(1988年6月15日)、II:ISBN 4-15-030271-5(1988年7月15日)、III:ISBN 4-15-030274-X(1988年8月15日))が刊行されている。表紙は、単行本版を辰巳四郎、文庫版をいのまたむつみが担当している。


あらすじ[編集]

高度な管理システムのもとで理想社会を実現した未来都市ファーイースト30。ここで暮らす人々は、完全な自由を保障され、平和を謳歌していた。この都市に生まれた少年イヴもまた、この平和な都市を愛していた。

ある日イヴは、銀色のニンフのような女性レダと出会った。彼女は、システムによる管理を拒否した反社会主義者《紊乱者(ディソーダー)》であった。イヴは《紊乱者》との出会いに怯えながらも、奔放なレダの姿に次第に不思議な魅力を感じるようになった。

レダとの交流を続けるにつれ、イヴは理想社会であることを信じていたファーイースト30がはらむ矛盾や問題に気づき始めていった。そして、イヴの周囲に起こった小さなさざ波が、やがて都市全体を巻き込む波紋を広げていく。

主要な登場人物[編集]

イヴ・イェンセンNA66b
小柄で平凡な心優しい15歳の少年。
レダSE7α
《紊乱者》。銀色の瞳を持つすらりとした女性。
アウラ・ザンベリイ88ε
レダの恋人。長い黒髪の大柄な女性。
ファン
遺伝子操作を受けた大型犬。言葉を話す。
ラウリ・D
イヴの指導員を務める青年。
マリア
ラウリの第二パートナー。赤毛の女性。性管理学者(セクソロジスト)。
ミラ・ブラウン7AΛ
イヴの同級生の大柄な少年。イヴに敵意を抱いている。
デイマー・イトウ
ファーイースト30の市長。
レオノーラ・A
セクソロジスト・ギルド議長。次期市長候補。