フォイルズ
W&Gフォイルズ (W & G Foyle Ltd.) は英国の首都ロンドンに存在する老舗書店。一般にはフォイルズ (Foyles) と略して言及されることが多い。日本ではフォイル書店、フォイルなどとも称される。
1903年にウィリアム・フォイルによって創業され、1906年からチャリング・クロスの113-119番地に店舗を構えている。
公務員試験に失敗した兄弟が、大量に所持していたテキストを売却しようとしたところ多くの注文を受けたことが店を開くきっかけとなった。自宅での古本販売に始まって、現在では英国一の書店にまで成長している。
本棚の専有面積と書籍の数に関して、世界最大の書店としてギネスに登録されていた。現在でも英国における最大の書店である。ロンドン市民だけでなく、活字中毒の旅行者たちにも人気を集めるスポットとなっている。
フォイルズは次に示すような伝統ある経営姿勢（あるいは単なる頑固さ）によって非常に有名であった。
- 店舗はチャリング・クロスの本店のみ。支店はおかない。
- 本棚における書籍の配置は、分野や著者ではなく出版社別によって配列されている。
- 書籍を購入する際には二度列に並ぶ必要がある。（一度目にレシートを回収され、次にそれを支払う）
- 店舗の電話番号が公表されているが、これは書店が電話をとらないことを伝えるメッセージを流す為である。
- 売れ行きが悪く絶版となった本についても売れるまで何年間も棚に並べている。
1999年にオーナーのクリスティーナ・フォイルが死去し、その従兄弟のクリストファーに経営権がわたると、フォイルズはそれまで頑なに拒み続けていた近代化に着手し始めた。これによって経営の高率化が達成されたが、以前からの顧客の中にはフォイルズの魅力が薄れていると批判する者もいる。
文学を議論するランチョンを1930年から開催していることでも知られる。 2005年にはサウス・バンクのロイヤル・フェスティヴァル・ホールにおいて開催された。
豆知識
刑事ドラマの『フォイルの戦争』(Foyle's War) の名はこの店に由来している。マイケル・キッチンによってChief Superintendentのクリストファー・フォイルが演じられていた。