トレンチブーツ

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トレンチブーツを着用した兵士

トレンチブーツ(Trench boot)またはパーシングブーツ(Pershing boot)は、第一次世界大戦中に開発されたコンバットブーツである。塹壕のぬかるみの中を歩くことを想定したもので、イギリスアメリカフランスベルギーの兵士によって使用された。

歴史

開発

原型となった1917年式トレンチブーツ(1917 Trench Boot)はアメリカで開発され、大戦初期にはフランスやベルギーにも販売された。アメリカ軍においては従来使用されていたラセット式軍靴(Russet Marching Shoe)を更新した。ヒールはやや高く、靴底には鉄鋲が5列打ち込まれている[1]。ヒールの底には鉄板が固定されていた。従来の軍靴よりは優れていたものの防水性を欠いており、いわゆる塹壕足を避けることはできなかった[2]

改良

1918年1月、アメリカ陸軍需品科幹部とアメリカ遠征軍司令部将校団が会談し、軍靴の改良に関する協議が行われた。遠征軍司令官ジョン・パーシング将軍はここでの提案を承認し、陸軍省へ打電した。その後まもなくして1918年式トレンチブーツ(1918 Trench Boot)あるいはパーシングブーツ(Pershing Boot)として知られる新型長靴の支給が始まった[1]。1917年式と比べると重い革が使われ、防水性が高められていた。また、靴底はやや厚く、その他にも細部に改良が加えられていた[1]。従来の長靴よりも大きかったため、兵士たちからは「小さな戦車」(Little Tanks)とも呼ばれた[1]

脚注

  1. ^ a b c d Little Tanks - The American Field Shoe [Boot]
  2. ^ Atenstaedt RL (2006). “Trench foot: the medical response in the first World War 1914-18”. Wilderness Environ Med 17 (4): 282–9. doi:10.1580/06-WEME-LH-027R.1. PMID 17219792.