トリゲモ

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トリゲモ
トリゲモ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: オモダカ目 Alismatales
: トチカガミ科 Hydrocharitaceae
: イバラモ属 Najas
: トリゲモ N. minor
学名
Najas minor All.
和名
トリゲモ(鳥毛藻)
英名
Brittle Naiad
Brittle Waternymph

トリゲモ(Najas minor)は、トチカガミ科イバラモ属に属する一年生の植物ため池湖沼などに生息する水草である。和名は、羽毛のような姿をしている藻、というところから来ている。

分布[編集]

ヨーロッパ原産だが、各地に導入され、世界中に広く分布する。日本でも全国各地に分布しているが、数は少なく絶滅危惧種に指定されている。

生態[編集]

沈水性の水草で、は細かく分枝する。葉が外側に反り返ることも多い。草体は容易にちぎれて切れ藻となり、水鳥や船体への付着や水流によって運ばれ、分布を広げる。葉腋に花をつけ、そこに長さ約 3mm の種子をつくり繁殖する。染色体数は2n=12のものと、2n=36のものが知られる[2]

近似種[編集]

オオトリゲモと非常に似ている。葉の長さは変異が大きいため、外観ではほとんど見分けがつかない。種子表面の格子状の模様で区別することもあるが、トリゲモとオオトリゲモの種子表面は非常に酷似するため、この点で同定を行うのは困難である。この2種を確実に同定するためには、雄花葯室の数を見る必要がある。葯室の数が1室ならトリゲモ、4室ならオオトリゲモである。

利用[編集]

アクアリウムにおいて、水槽に植えられることがある。アメリカなどでは、侵略的外来種として水中用除草剤などで駆除されることもある。

保全状況評価[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Mani, S. 2010. Najas minor. In: IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.1. <www.iucnredlist.org>. Downloaded on 12 October 2011.
  2. ^ 大滝末男、石戸忠『日本水生植物図鑑』(北隆館

関連項目[編集]