デンドロビウム・カナリキュラタム

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デンドロビウム・カナリキュラタム
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分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 単子葉植物綱 Liliopsida
: ラン目 Orchidales
: ラン科 Orchidaceae
亜科 : セッコク亜科 Epidendroideae
: セッコク属 Dendrobium
: セッコク D. canaliculatum
学名
Dendrobium canaliculatum
和名
デンドロビウム・カナリキュラタム
英名
onion orchid
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デンドロビウム・カナリキュラタム Dendrobium canaliculatum は、ラン科セッコク属の植物の一つ。その茎の形から、オニオンオーキッドとも呼ばれる。

特徴[編集]

常緑性多年生草本偽球茎を束生し、根で樹皮上に付着する着生植物

複数の茎を持ち、その先端から数枚の葉を束生する[1]。茎は高さ3-12cm、幅1.5–3cm[2]、卵形で丸々と太って硬い。葉は長さ5-20cm、幅0.6cmと細長く、多肉質で太くて棒状でやはり硬い革質、表面が多少くぼむ。

花は茎の先端から真っ直ぐ伸びる花茎に生じ、一つの茎から1-4本生じて、それぞれに多数の花を総状につける。花は径1.8-2.2cm、芳香がある。側花弁と萼片は細長くてねじれ、黄緑色で先端は紫を帯びる。唇弁は白くて先端が三裂し、紫や紅紫色の斑紋を持つ。開花期は冬から春。

スパチュラータ系 Section Spatulata に属するものの中ではごく小型種である。その偽球茎の形がタマネギに似るとのことでオニオンオーキッドとも呼ばれる[3]

分布と生育環境[編集]

オーストラリア北東部とニューギニアに分布。標高500m程度の直射日光と風に晒されるところに生育し、メラリューカという木に着生する。開花期には極端な乾燥状態に晒される[4]

利用[編集]

洋ランとして栽培されることがある。上記のように乾燥に耐えるが根の回りの過湿を嫌い、通気を求めるので、木炭やバークなどで植え込むか、コルクや木片につけて栽培する[4]

出典[編集]

  1. ^ 以下、主として土橋(1993)p.210
  2. ^ 唐澤監修(1996)p.187
  3. ^ 松原().p.3
  4. ^ a b 松原(2012).p.3

参考文献[編集]

  • 土橋豊、『洋ラン図鑑』、(1993)、光村推古書院
  • 松原剛、「デンドロビューム Dendrobium スパチュラータ系 Spatulata section」、『JOGA レビュー』No,19,2012、日本蘭農業協同組合
  • 唐澤耕司監修、『蘭 山渓カラー図鑑』(1996)、山と渓谷社