スケルトン (外殻)
スケルトンは、通常なら金属など不透明素材で作つべき筐体の大部分を、切除もしくは透明素材に置き換え、内部機構が見えるようにした外殻構造である。内部機構を骨格(スケルトン)になぞらえた呼び名である。
概要
発祥は高級懐中時計である。文字盤や裏蓋の一部ないし大部分を切り取ってガラスを嵌めるなどし、精密な内部機構の動くさまを見て楽しむ趣味性の高い特殊仕様の品のモデル名として「スケルトン」が与えられた。これは、構造上の必要から一部残された本来の文字盤や外殻がまるで骸骨のように見え、「肋骨越しに時計の内臓を見ている」ことになぞらえた命名である。
後に、合成樹脂が発達し、外殻全てを一体の透明素材で作る事が可能となった。その様な外殻を持ったモデルは「トランスルーセント(光透過)」と呼ばれ、厳密にはスケルトン構造とは区別される。「骸骨・骨格」と看做せる部分が存在しないからである。
しかし、日本では元来のスケルトン構造の由来と意味を日本語「透ける」との混同で誤認した者が多く、トランスルーセント筐体もスケルトンと誤称する例が定着してしまっている。
逆に、手間のかかるスケルトン構造は本当に極一部の高級品にしか用いられないため、スケルトンモデルとして市販されている商品の殆どは、実際はトランスルーセントモデルである。