グレイト・ガッボ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。MSY-07 (会話 | 投稿記録) による 2022年11月5日 (土) 15:28個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (テンプレートの修正)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

グレイト・ガッボ
The Great Gabbo
ポスター(1929年)
監督 ジェームズ・クルーズ英語版
エリッヒ・フォン・シュトロハイム(クレジットなし)
脚本 ヒュー・ハーバート英語版
原作 ベン・ヘクト『恋がたき』
製作 ジェームズ・クルーズ
出演者 エリッヒ・フォン・シュトロハイム
ベティ・カンプソン
音楽 ハワード・ジャクソン
撮影 アイラ・H・モーガン
製作会社 アメリカ合衆国の旗 ジェームズ・クルーズ・プロダクション
配給 アメリカ合衆国の旗 ソノ・アート・ワールド・ワイド・ピクチャーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 1929年9月12日
大日本帝国の旗 1930年3月
上映時間 96分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
テンプレートを表示

グレイト・ガッボ 』(The Great Gabbo)は、1929年に公開されたアメリカ合衆国ドラマ映画ミュージカル映画ベン・ヘクトの短編小説『恋がたき』をジェームズ・クルーズが映画化。主演はエリッヒ・フォン・シュトロハイムベティ・カンプソン。ソノ・アート・ワールド・ワイド・ピクチャーズが配給したときは一部にマルチカラーが使われていたが、現存しているものは白黒である。

現在はパブリックドメインである[1]

あらすじ

グレイト・ガッポは腹話術師。タバコを吸いながら、飲食しながら、オットーという名前の人形を喋らせ、歌わせたりすることができる。人形を通してならぺらぺら喋れるガッポだが、自分の言葉ではうまく気持ちを表現できない。アシスタントで恋人のメアリーともそれで別れてしまう。そんなガッポを人形のオットーが諌める。

二年後、腹話術として大成功をおさめたガッポとオスカー。一方、メアリーはフランクという男と組んでレビューをやっている。ある日、二組は共演する。ガッポはいまだメアリーに未練があり復縁を迫る。しかし、メアリーはフランクを愛していた。別れの時、メアリーはオットーに「愛している」と告げた。

おさまらないガッポはオットーを殴るが、殴った後すぐ詫びる。ガッポの精神は均衡を失っていた。レビューの最中、ステージに乱入し、グレイト・ガッポの名前は劇場の看板から外される。

キャスト

制作

トーキー初期の作品で、「台詞あり歌ありダンスありの劇的スペクタクル」と喧伝されている。ミュージカル・シーンがふんだんにある。曲目は『Every Now and Then』『I'm in Love with You』『"The New Step』『The Web of Love』。現存していないが『The Ga Ga Bird』はカラーだった。このうち『Web of Love』は巨大な蜘蛛の巣のセットの前で蜘蛛や蝶々の衣装を着たダンサーが踊るもので、『The Girl from Calgary』(1932年)で再利用された他、Classic Arts Showcase(アメリカのテレビチャンネル)でその映像が流されている。

反応

批評的には良くもなく悪くもなくといったところで、シュトロハイムは評価されたものの、キャリアアップさせるほどではなかった[2] 。『フォトプレイ』誌は「失望させられた。クルーズはユーモアのセンスを欠き、照明と脚本は最悪」[3]。『ニューヨーク・タイムズ』紙はカラーのシーンの出来の悪さを批判している。

曲目

  • Every Now and Then(歌:マージョリー・ケインとドン・ダグラス)
  • I'm In Love With You(作詞:ポール・ティッツワース、作曲:リン・コーワン、歌:ベティ・カンプソンとドン・ダグラス)
  • The New Step(作詞:ポール・ティッツワース、作曲:リン・コーワン、歌:マージョリー・ケインとコーラス)
  • I'm Laughing(作詞;ドナルド・マクナミー、作曲:キング・ザニー、歌:人形のオットーとエリッヒ・フォン・シュトロハイム)
  • Icky (the lollipop song)(歌:人形のオットーとエリッヒ・フォン・シュトロハイム)
  • The Web Of Love(作詞:ポール・ティッツワース、作曲:リン・コーワン、歌:ベティ・カンプソンとドン・ダグラス)
  • The Ga Ga Bird 現存していないが、ガッボの幻覚のシーンで垣間見える

出典

  1. ^ The Great Gabbo”. Public Domain Torrents. 2018年7月1日閲覧。
  2. ^ Lennig, Arthur. Stroheim (Lexington: University Press of Kentucky) p 295. ISBN 0-8131-2138-8
  3. ^ Kreuger, Miles ed. The Movie Musical from Vitaphone to 42nd Street as Reported in a Great Fan Magazine (New York: Dover Publications) p 111. ISBN 0-486-23154-2

外部リンク