オリンピック・スタジオ
オリンピック・スタジオ (Olympic Studios) は、イングランドサウスウエスト・ロンドン、バーンズのチャーチ・ロード117にあった商用録音スタジオ。1960年代後半から、ロックやポップスで数々の作品を生み出したことで知られる。
オリンピック・スタジオが入る建物は、1906年にバーンズ・レパートリー・カンパニーの劇場用に建設された。その後、1950年代後半にギルドTVが買収し、映画スタジオに改装したが、1965年にオリンピック・サウンド・スタジオによって買収された。映画スタジオから録音スタジオへの改築は建築家のロバートソン・グラントが務め、音響はキース・グラントとラッセル・ペッティンガーによるものである[1] 。
オリンピック・スタジオに備えられていたミキシング・コンソールは、スタジオのメンテナンス・スタッフによるカスタムで、ディック・スウェテンハム、キース・グラント、ジム・ドウラー、ジム・マクブリッジらの手によって発展、進化が加えられ「オリンピック」の名で次第に業界で知られるようになった[2]。その後、スウェテンハムは会社を設立。「ヘリオス」ブランドのコンソールの販売を始め、グラントからの受注で、製造した最初の一台Helios oneをスタジオ2に納入した。「オリンピック」と「ヘリオス」のコンソールは、現在もその音質で高い評価を受けている[3]。
その他にもミュージック・ウィーク誌の「ベスト・レコーディング・スタジオ」に5度にわたって輝くなど高い評価を受けていたが、2009年のEMIとヴァージン・グループの統合によって、40年にわたる成功と栄光の歴史に幕を閉じることになった。
脚注
- ^ Scott, Andy (2009年10月). “Zani-Save Olympic Studios”. zani.co.uk. 2010年3月3日閲覧。
- ^ Nick Coleman (2009年2月1日). “Olympic Studios”. independent.co.uk. 2009年4月13日閲覧。
- ^ “Olympic Studios closes: A sad day for music”. realmusicforum.com. 2010年3月3日閲覧。