結核菌熱水抽出物
アンサー20は、悪性腫瘍に対する放射線療法の際に生じる白血球減少症に対し、免疫力を回復させるために使われる皮下注射用アンプル剤。アンサー皮下注20µg(Ancer S.C.Injection 20µg)の名称でゼリア新薬工業から販売されている。使用には、医師の診断・処方箋が必要である(処方箋医薬品)。
成分のZ-100原液は、結核菌熱水抽出物であり、生物由来の免疫療法薬の一つである。いわゆる丸山ワクチンの一つであり、“放射線療法時の白血球減少”抑制剤という限定付きながらも、丸山ワクチンが、1991年8月以来、正式な「医薬品」として承認されていることになる。
承認前に、悪性腫瘍の放射線治療を実施する患者に対して行なわれた、二重盲検比較試験を含む臨床試験では、白血球減少に対する主治医の有用判定は、74.7%(189/253)であった[1]。
副作用の発現率は4.7%で、主に、注射部位の硬結、疼痛、発赤、腫脹、瘙痒感、水疱形成であり、過敏症の傾向がある場合に、発疹、蕁麻疹、発熱などの症状が現れる[1]。本剤に過敏症の傾向がある場合には、本剤の投与は禁忌であり、発見された場合、アナフィラキシーショックなどを避けるため、即刻、投与を中止しなければならない。
- ^ a b “アンサー皮下注20µg 添付文書” (2009年7月). 2015年10月13日閲覧。