もろさわようこ
もろさわようこ(1925年2月13日 - )は、女性史研究家。本名は両沢葉子。
概要
長野県望月町(現・佐久市)生まれ。生家が没落し、女中奉公をしながら小学校を卒業、旧制専門学校入学者検定合格。陸軍士官学校の事務員、地方紙記者などを経て、女性史研究家となり、庶民世界での近代女性史に関する著書多数、女性解放運動に力を注ぐ。1969年、『信濃のおんな』で毎日出版文化賞受賞。
1972年4月、長野県における全国婦人集会で「職場で社会主義や共産主義を唱えている活動家に部落問題を尺度にあてたら、それが本物か偽物かわかります。さらに、部落解放運動をしている方に女性問題を尺度にあてたら、それが本物か偽物かわかります」と発言したため、部落解放同盟中央本部から「部落解放同盟の中に分断を持ち込んだ」との理由で締め出され、すべての部落解放同盟支部でもろさわの講演が差し止められたことがある[1]。のちにもろさわは「部落解放同盟には女性蔑視がある」と批判した[2]。
1982年郷里の望月町に「歴史をひらくはじめの家」を開設した。
著書
- おんなの歴史 愛のすがたと家庭のかたち 合同出版, 1965
- 信濃のおんな 未來社, 1969
- おんなの歴史 未來社, 1970
- おんなの戦後史 未來社, 1971
- わわしい女たち 狂言・御伽草子にみる庶民像 三省堂ブックス, 1972
- おんな・部落・沖縄 女性史をとおして 未來社, 1974
- わが旅… 沖縄・信濃・断想 未來社, 1976
- おんなろん序説 未來社, 1981
- 解放の光と影 おんなたちの歩んだ戦後 ドメス出版, 1983
- おんな・愛と抗い 近・現代のあゆみ ドメス出版, 1984
- もろさわようこの今昔物語集 集英社, 1986(わたしの古典) のち文庫
- いのちに光あれ 女性史と差別 径書房, 1992
- オルタナティブのおんな論 ドメス出版, 1994
編纂・共著
- ドキュメント女の百年 1-6 平凡社, 1978-79
- 人間に光あれ 森田益子共著 径書房, 1991
脚注
出典
- 『長野県人名鑑』信濃毎日新聞社、1974年