あたしのエイリアンシリーズ

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小説:あたしのエイリアン
著者 津原やすみ
イラスト 新井葉月
出版社 講談社
レーベル 講談社X文庫ティーンズハート
刊行期間 1989年 - 1994年
巻数 全18巻
小説:あたしのエイリアンEX
著者 津原やすみ
イラスト 新井葉月
出版社 講談社
レーベル 講談社X文庫ティーンズハート
刊行期間 1995年 - 1996年
巻数 全4巻
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル
ポータル 文学

あたしのエイリアン』(以下『エイリアン』)、『あたしのエイリアンEX』(以下『EX』)は津原やすみ(挿絵:新井葉月)による少女小説ライトノベル)。講談社X文庫ティーンズハート刊。 1989年より『エイリアン』シリーズとして18冊(17作)が刊行(シリーズ名の付加は4冊目より)、未完のまま1995年よりスピンオフである『EX』シリーズが開始、4冊が刊行された。

『EX』開始当初は、並行して『エイリアン』も続行されるとの触れ込みであったが、1996年刊行の『EX』最終巻の作中において『エイリアン』の主人公らの行く末が示されたことで、両シリーズの終了となった。

2021年、COMITIA138にて『五月物語』『五月日記』の2作が同人誌として頒布された(挿絵:鳴海ゆき)。

概要

あたしのエイリアン
高校生百武千晶と、そのイトコのふりをして暮らす宇宙人ホシオとの恋愛模様を軸に、彼らのトラブルに満ちた日常が描かれる。
あたしのエイリアンEX
高校生川野和流(せせらぎ)と、その部屋に突然出現した未来人望月玄之丞との恋愛模様が描かれる。
『エイリアン』シリーズと較べ短期のシリーズであるため、物語に事件性は弱く、タイムスリップの謎と主人公の家庭の事情を中心に物語が展開する。
せせらぎは『エイリアン』シリーズの主人公らの高校の後輩であり、また玄之丞は彼らの子孫にあたる。1作目では『エイリアン』シリーズの主人公らも重要な役どころで登場する。

主な登場人物

百武千晶(ひゃくたけちあき)
『エイリアン』シリーズの大半において主人公であり語り手。物語の開始時点において黄島高校1年生。後に進級、卒業し、終盤では浪人生となる。
ごく平凡な少女であったが、宇宙人との遭遇を機に数々のトラブルに巻き込まれるようになる。
デュディディデデデデュデュディデダ/百武星男(ひゃくたけほしお)/ホシオ
『エイリアン』シリーズの副主人公。シリーズの一部において語り手。
惑星シジジシジシシュ出身の宇宙人。超能力を持つ。
職務で地球に飛来し、便宜のため、最初に出会った地球人である百武千晶の周囲の人々の記憶を操作し居候に至る。環境の変化のため思いがけず超能力の大半を失って故郷に帰れなくなり、職務完了後も百武千晶のイトコである同級生として地球で暮らし続けることになる。
本来の姿はオレンジ色の髪に緑の目。美形かつ優柔不断な性格で女性に好かれやすい。
坂本真希(さかもとまき)/マキ
百武千晶の同級生であり親友。少女趣味の権化。科白は丸文字フォントで表記される。
岡村五月(おかむらさつき)/ゴガツ
百武千晶の同級生であり喧嘩相手。ホシオに横恋慕している。
シリーズの一部において語り手。
田中由香(たなかゆか)
百武千晶の同級生であり親友。探偵を志す情報通。
ジョジョジョジュジジジジジュジージョ/ジョナサン
ホシオと同郷の宇宙人であり、同じく超能力を失って地球に住み着いている。地球で生き抜く術に長けており、ホシオらに助力する。
真っ赤なモヒカンに緑の目の青年。
リュリリルリリュライア/小泉今日子
ホシオと同郷の宇宙人であるが、その記憶を失っている。在郷時はホシオの恋人であった美女。記憶を失った後もホシオに横恋慕している。
赤羽根菊子(あかばねきくこ)
百武千晶の志望する橙林学院大学の高等部生徒。勝気な美少女。ホシオに横恋慕している。
シリーズの一部において語り手。
川野和流(かわのせせらぎ)/せせらぎ
『EX』シリーズの主人公であり語り手。黄島高校1年生。両親の離婚のため、物語の開始時点において独り暮らし。
百武千晶の1年後輩。
デデデデュデュデュデデュデディ/望月玄之丞(もちづきげんのじょう)
『EX』シリーズの副主人公。期せずして200年の時を遡り、せせらぎの暮らす部屋に突然出現する。
百武千晶とホシオの子孫であるため、宇宙人の血を引く。20歳。
早見裕次郎(はやみゆうじろう)
せせらぎの同級生。同性愛者。望月玄之丞に横恋慕しながらもせせらぎに肩入れし、折々に力になる。

作品一覧

  • 『あたしのエイリアン』シリーズ
    • 星からきたボーイフレンド(1989年5月)
    • 地球に落ちてきたイトコ(1989年6月)
    • ボクの理科室へおいで(1989年10月)
    • 夢の中のダンス(1990年1月)
    • パーフェクト・キッス(1990年3月)
    • 恋のペーパーチェイス(1990年5月)
    • おぼつき海岸の流れ星伝説(1990年8月)
    • 初恋のリフレイン(1990年10月)
    • 身勝手なヒロイン(1991年1月)
    • ふたりと美少年とエトセトラ(1991年4月)
    • 五月物語(1991年7月)
    • 五月日記(1991年10月)
    • 悲しみがいっぱい(1992年8月)
    • アイドル誘拐プラン〈上・下巻〉(1992年12月、1993年1月)
    • 恋愛国の恋愛姫(1993年6月)
    • 抱きしめてエンジェル(1993年11月)
    • 素顔にKISSして(1994年4月)
  • 『あたしのエイリアンEX』シリーズ
    • ポケットに星をつめて(1995年2月)
    • ユニコーンがいた朝(1995年7月)
    • ふたりだけのウェディング(1995年11月)
    • エトランゼに花束(1996年7月)

逸話

  • 著者の処女作である。ライターとして在籍していた編集プロダクション村松企画への依頼に応じて執筆されたもの[1]
  • 著者の性別を伏せての執筆は編集部の要請による。そのことにより生じた困難な経験は、性別を明かしての再デビュー後、インタビューやSNSなどでたびたび語られている[1]
  • 『EX』シリーズの開始は『エイリアン』シリーズの部数低迷による編集部の判断である。『エイリアン』シリーズの結末について、著者は「書かせてもらえなかった」と発言している[2][3]
  • シリーズ全22作中、21作目のみが韓国語訳されている[4]
  • 著者と挿絵を担当した新井葉月には当時面識がなかった。「会わせない」という明確な方針があったと津原は語っている[5][6]。後年にはWeb上での数度のやり取りを経て、2021年、『五月物語』『五月日記』の同人誌版が頒布されたCOMITIA138会場にて初対面が果たされた。

関連項目

  • 関連作品
    • 津原やすみ『ささやきは魔法』 - 早見裕次郎、また望月玄之丞のその後が仄めかされる。著者はこれを「続篇」であると発言している[7]
    • 津原泰水『クロニクル・アラウンド・ザ・クロック』 - 赤羽根菊子、岡村五月が登場する。著者はこれを「続篇」であると発言している[8]
  • 地球に落ちて来た男 - 本作はこの映画のパロディである[9][10]
  • E.T. - 本作はこの映画のパロディである[9]
  • デヴィッド・ボウイ - 副主人公の名「星男」は楽曲名〈スターマン〉の和訳。髪の色が変わる設定はボウイに因んでいる[11]

外部リンク

参考文献

脚注

  1. ^ a b 嵯峨・三村・七木 2020.
  2. ^ 著者ツイッターアカウント2020年5月19日投稿”. 2020年5月22日閲覧。
  3. ^ 著者ツイッターアカウント2020年5月19日投稿”. 2020年5月22日閲覧。
  4. ^ 津原泰水Twitter”. 津原泰水. 2020年9月11日閲覧。
  5. ^ 著者ツイッターアカウント2020年5月19日投稿”. 2020年11月29日閲覧。
  6. ^ 著者ツイッターアカウント2020年9月10日投稿”. 2020年11月29日閲覧。
  7. ^ aquapolis掲示板2013年 6月 5日投稿”. 2019年8月28日閲覧。
  8. ^ aquapolis掲示板2013年 6月 5日投稿”. 2019年8月28日閲覧。
  9. ^ a b 多目的掲示板2011年12月26日投稿”. 2020年5月23日閲覧。
  10. ^ aquapolis掲示板2013年 6月28日投稿”. 2019年8月28日閲覧。
  11. ^ aquapolis掲示板2013年 7月10日投稿”. 2019年8月28日閲覧。