JASMINE計画
JASMINE計画(ジャスミン計画、Japan Astrometry Satellite Mission for INfrared Exploration)とは日本の国立天文台のJASMINE検討室が中心になって推進している位置天文衛星計画であり、Nano-JASMINE、Small-JASMINE、(Medium-sized) JASMINEの3段階の衛星が計画されている。 欧州宇宙機関(ESA)のガイア計画と共にヒッパルコス衛星を後継する観測を行い、天の川銀河について詳細に調べることを目標としている。全体としてガイア計画と相補的な観測を行う計画になっている[1]。
概要
Nano-JASMINEは主鏡口径5cm、重量35kgの小型衛星であり、近赤外を中心としたzwバンドでヒッパルコスやガイア計画と同様に全天サーベイを行う。観測精度はヒッパルコスと同程度であるが、ガイア計画では観測困難な6等星程度より明るい星では貴重なデータを得ることができる。すでに衛星は完成しており、当初は2011年8月に打ち上げ予定であったが、スケジュール延期が続き、2015年10月現在まだ打ち上げられていない。打ち上げ予定は2015年第2四半期となっているがかなり不透明な状況である[2]。
Small-JASMINEは主鏡口径30cm、重量400kgの予定である。Nano-JASMINEより少し長波長のHwバンドを用いてバルジの一部(数平方度)を集中的に観測する。観測精度はガイアと同程度である。赤外線による観測を行うことにより、可視光で観測するガイアでは吸収が強くて観測困難なバルジの情報を得ることができる。ISAS/JAXAの小型科学衛星プログラムによる打ち上げを目指している。
(Medium-sized) JASMINEは主鏡口径80cm、重量1500kgを想定している。HwバンドまたはKwバンドを用いてバルジのほぼ全体(約200平方度)を観測する計画である。観測精度はガイアと同程度である。バルジの奥行きを含めた3次元地図が作成できる。
参考文献
- ^ “位置天文観測衛星計画について~GaiaとJASMINE~”. SGMAPミニワークショップ@広大. 2015年10月6日閲覧。
- ^ “宙に浮く日本初の位置天文衛星 国際情勢が翻弄”. 日経新聞. (2014年5月17日) 2015年10月6日閲覧。
関連項目
外部リンク
- JASMINE検討室ホームページ
- 天の川を探る赤外線位置天文観測衛星JASMINE JAXA 第5回宇宙科学シンポジウム 将来計画(2005年1月)