D-558

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D-558シリーズは、アメリカ海軍およびアメリカ航空諮問委員会(NACA)の超高速実験機である。ダグラス社が開発した。1947年アメリカ空軍が陸軍から独立すると、1948年に空軍のX-1ロケット機計画に編入された。速度記録達成を重視していたX-1シリーズとは異なり、D-558シリーズはデータ収集を重視した機体だった。

ジェットエンジン音速突破を狙ったD-558-1 スカイストリーク(英:D-558-1 Skystreak)と、ロケットエンジンを併用してマッハ2に挑戦したD-558-2 スカイロケット(英:D-558-2 Skyrocket)の計画が存在した。

D-558-1[編集]

D-558-1

D-558-1は、遷音速域における飛行特性や安定操縦性、バフェッティング(気流による振動)などのデータを収集するため、「最強のエンジンを囲う最小の航空機」として製作された直線翼のジェット機。通常の航空機と同様に、滑走路からの離着陸を行う。機体色は濃い赤。

1947年3月16日に初飛行し、同年8月26日には、当時のF-86 セイバーの速度記録を少し上回る1067km/hを記録した。また、速度がマッハ0.75を越えると操縦が困難になる性質があり、1948年には墜落事故を起こしてパイロットだったハワード・C・リリーが死亡している。飛行試験は1953年に行われた225回目の飛行で終了した。

諸元

D-558-2[編集]

D-558-2

D-558-2は後退翼を有するターボジェット/ロケット動力機であり、離陸はできずB-29に懸架された状態から空中発進する。D-558-1と同様に操縦が難しい機体であり、初期には激しいピッチアップを起こす性質があった。機体色は白にされていたが、これはオレンジ色のX-1や赤色のD-558-1が飛行試験の行われていたモハーヴェ砂漠において目立たなかったためである。

1951年に初飛行し、超音速域での飛行特性や荷重、安定操縦性などのデータ収集に従事した。1951年5月20日にX-1のその時点での速度記録を上回るマッハ1.72を記録。その後、1953年8月21日に高度83,255ft(25,370m)に到達、同年11月20日アルバート・スコット・クロスフィールドの操縦でマッハ2.05を記録している。飛行試験は1956年に行われた312回目の飛行で終了した。

諸元
  • 全長:42 ft(12.8 m)
  • 全幅:25 ft(7.62 m)
  • 全高:11 ft 6 in(3.51 m)
  • エンジン:
ウェスチングハウス J34-WE-40英語版 ターボジェット×1基
リアクション・モーターズ LR8-RM-6 ロケット×1基
  • 最大速度:マッハ2.05

現在[編集]

現在、現存しているD-558-1は国立海軍航空博物館カロライナス航空博物館英語版に、D-558-2はプレーンズ・オブ・フェイム航空博物館英語版国立航空宇宙博物館アンティロープ・ヴァレー・カレッジ英語版に展示されている。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]