大陸の歌

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組曲「大陸の歌」 (くみきょく たいりくのうた) は、深井史郎作曲の管弦楽曲

作曲の経緯[編集]

深井史郎は、新京音楽院の招きで1940年5月から約1ヶ月間満洲を視察旅行した[1]。翌1941年にも満洲国新京市の招聘で満洲各地を視察。同市交響楽団のために、交響管弦楽のための『大陸の歌』を作曲した[2]。初演は1941年2月22日新京音楽院管弦楽部の公演で、指揮は大塚淳であった[3]

その後、深井は1943年3月28日にこの曲を『組曲「大陸の歌」 (中國の歌)』と改作し、また1945年には吹奏楽用に編曲している[3]

編成[編集]

ピッコロ、フルート2、オーボエ2、コーラングレ、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、テューバ、ティンパニ、中国銅鑼小、中国銅鑼大、シンバル、大太鼓、木琴、グロッケンシュピール、タンバリン、ピアノ、弦楽5部[4]

構成[編集]

4曲からなる[3]

第1曲 Prélue très modéré:短い三部形式

第2曲 (標題なし) modèrèment animé : 三部形式に短いコーダが付く

第3曲 Chant modéré, rubato - très lent : 序奏とコーダを持つ拡大された三部形式

第4曲 Finale très animé : ロンド形式に近い構成

脚注[編集]

  1. ^ 岩野裕一『王道楽土の交響楽』音楽之友社、1999、pp212-213
  2. ^ 深井史郎『恐るるものへの風刺』音楽之友社、1965、p355
  3. ^ a b c オーケストラ・ニッポニカ第18回演奏会 「日本近代音楽館」へのオマージュ』プログラム, 2010.8.8
  4. ^ 大陸の歌 東京音楽大学付属図書館ニッポニカ・アーカイヴ。2020年8月15日閲覧。