バルマー・クレーター

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バルマー・クレーター(Balmer Crater)とは、月面に現存する、隕石衝突の結果形成されたと考えられているクレーターの1つである。

形状[編集]

バルマー・クレーターの衛星写真。バルマー・クレーター内に別の小さなクレーターが存在する様子や、バルマー・クレーターのリムが残っていない部分が存在する様子が見て取れる。

バルマー・クレーターの直径は約136 kmに及び[1]、かつて、このクレーター内には溶岩があふれ、その後、固まった状態になったと考えられている。ただし、現在のバルマー・クレーターは、すでに完全な形を残しておらず、月の海とつながっている。さらに、クレーター内には別な小さなクレーターが幾つも存在する。従属クレータには下記がある。

[2] 緯度 経度 直径
バルマーM 20.7° S 71.5° E 5 km
バルマーN 19.9° S 69.9° E 8 km
バルマーP 20.4° S 67.7° E 13 km
バルマーQ 18.7° S 70.5° E 7 km
バルマーR 18.7° S 69.1° E 4 km
バルマーS 18.4° S 67.6° E 6 km

月面上の位置[編集]

バルマー・クレーター周辺の衛星写真。写真下部のBalmerと書かれている部分がバルマー・クレーターである。

バルマー・クレーターの中心の月面における座標は、南緯20度27分、東経70度22分である[1]

名称について[編集]

このクレーターの「バルマー」と言う名称は、スイスの数学者であり、物理学者でもあったヨハン・ヤコブ・バルマーの姓にちなんで命名された[1]

出典[編集]

  1. ^ a b c Balmer
  2. ^ NASA Catalogue of Lunar Nomenclature (PDF) P30