ノート:横光利一

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戦時中の外地派遣について[編集]

質問
略歴 旅愁の項に“海軍に徴用され報道班員となった写真が残っているが、外地への派遣はなかった。”との一文があります。
しかし坂井三郎著「大空のサムライ かえらざる零戦隊」の第5章 孤独なる苦闘の果てに ラバウルに別れる日 の中で“飛行艇は、私のほかに二人の乗客を乗せた。その一人は報道班の横光利一氏(作家)であった。”と書かれています。
相反する内容ですが、どちらが正しいのでしょうか。210.167.117.177 2006年6月18日 (日) 16:29 (UTC)[返信]

まず、海軍の徴用ですが、『新潮日本文学アルバム 横光利一』(ISBN 4106206471)の82ページに、大本営発行の身分証明書の写真が載っていますので、海軍はまちがいないところです。その日付が、「昭和18年3月31日」になっています。
さて、『定本 横光利一全集 第16巻』(河出書房新社、ISBN 4309607160)には、書簡が収録されています。昭和18年のところには、3月31日付けの消印のある中村嘉市あての書簡があり、「丁度南方(実はニューギネアです)そこへ行くのですが 行く前におもちいただけまして有り難いと思ひました。後、一週間ばかりはまだ東京にをります」とあります。また、4月2日消印の山本実彦あての手紙には、「此の戦闘の中へ休息に行くのですから、文士も冷汗をかきます」とあります。これだけを読むと、たしかに出かけたようなのですが、4月12日づけ松村泰太郎あてのはがきには、「ニューギニアどころか、二階まで匐ひ上って、やっと遠くの桜を眺めました。もし行ってゐたら、僕は病死してゐたことと思ひます」とありますし、4月19日消印の山本実彦あてでは、「ニューギニヤへ参りますのも病気になり、たうとう見合せになってしまひました」とあります。この手紙から判断すると、横光は、行っていないということになるのですが。
いかがでしょう。 --ねこぱんだ 2006年6月19日 (月) 15:51 (UTC)[返信]
ねこぱんださん、ご返答ありがとうございます。
ご紹介いただいた文献にはまだあたっておりませんが、ねこぱんださんにご紹介頂いたとおり、昭和18年の4月前後は横光氏は国内にいたと考えるのが妥当ですね。
先に引用したの坂井氏の著書によると、坂井氏がニューギニアにて横光氏を見たのは昭和17年の8月であると書かれています。横光氏が昭和17年の8月に国内におられた、もしくはまだ徴用されていないのであれば、坂井氏の著書が誤りか真実をかけない事情があったものと推察されます。
昭和17年に横光氏がどのような活動をしていたか教えていただけますか。210.167.117.177 2006年6月20日 (火) 15:31 (UTC)[返信]

上に書いた全集の年譜では、昭和17年8月に「戦時徴用を受ける」という記載はあります。しかし、外地にいったとは書いてありません。また、書簡をみても、この時期のもの自体が少なく、そこにも外地派遣のことも書いてありません。可能性としては、坂井さんが、その時期に徴用され、第1次ソロモン沖海戦を小説『海戦』で描いた丹羽文雄さんと勘違いしたということはありえます。それは、今後の検討課題かもしれません。とりあえずのお答えです。 --ねこぱんだ 2006年6月21日 (水) 14:59 (UTC)[返信]

返信ありがとうございます。
結局のところ、横光氏が外地へ行っていないと言い切れるのでしょうか。横光氏が外地へ行っていないことを示す資料がありましたら、参考資料として記述してはいかがでしょうか。逆に、横光氏が外地へ行っていないと言い切れないのであれば、百科事典として不確実な事象をは記述せずに、「報道班として徴用された」程度に留めておいたほうがよろしいのではないでしょうか。210.167.117.177 2006年6月23日 (金) 16:54 (UTC)[返信]

実際、坂井氏の著書の話というのは、初耳に類することなのです。横光の書簡からの印象では、外地へ行く機会があれば、どこかに言及があるのが自然です。昭和18年のケースがそれに相当しますし、昭和17年の九州への講演行は手紙に言及があります。それがないから、昭和17年の外地行きはないだろうということなので、それが〈行っていないと言い切れない〉のは、当然のことで、そこまでの厳密な不在証明は不可能です。  --ねこぱんだ 2006年6月24日 (土) 07:06 (UTC)[返信]

井上謙さんの、『横光利一 評伝と研究』(1994年、ISBN 4273027895)をみることができて、いろいろとわかりましたので、記述を訂正します。 --ねこぱんだ 2006年6月25日 (日) 11:57 (UTC) リンク追加--ねこぱんだ会話) 2013年12月3日 (火) 06:46 (UTC)赤リンク修正 --ねこぱんだ会話2014年9月15日 (月) 10:06 (UTC)[返信]