ノート:日本語の活用形

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日本語の活用形の数[編集]

 学校文法では、「未然・連用・終止・連体・仮定・命令」の六種があるとされている。  一九九二年には、計量言語学の観点から「活用形は多くとも十一種あれば足りる(ただし、この中には「語幹」にあたる「原形」も含まれる)」ということが検証され、国文法の研究者には認められたものの(日本語教育ではない)国語教育においては「暗記の量が増える」というので評判がよろしくなかった。  とはいえ日本語処理の分野においてはコンピュータの記憶量が人間をはるかに凌いでいるため、技術的にはさほど問題ではなかった。  ところが、実装の際に(おそらくは「プログラマが国文法を理解しきれず、プログラムとして実装するのが困難である」という理由から)益岡と田窪による「基礎日本語文法」を金科玉条とする日本語処理研究者がいて、学会で「『基礎日本語文法』をちゃんと読んでくるように」と一蹴されて議論にならなかったという事例がある。  とはいえ(国語教育ではない)日本語教育においては連体形と連用形における時制の違いは重要なので、それぞれ別の活用として扱っている。  そもそも日本語教育は非・日本語ネイティブに対する教育なので、その多くはラテン文字(ローマ字)をベースに「かな」を理解しているため、「書く(kak)」と「嗅ぐ(kag)」の語幹は「か」ではない。それはコンピュータにとっても同じであって、「書いた」と「嗅いだ」における「た」「だ」という清濁の違いは学校文法における語幹である「か」には還元できない。こうした事情は日本語処理においても同様である。  こうなると、日本語の動詞における活用形は、「ある形態素に接続する際に、どんな音素が橋渡しをするか」に還元されてしまうので、「活用形」そのものの意味が異なってしまい、「語幹の末尾音(指標音)が、どういう形態素に接続する際に、消失・変化するか」に還元されてしまう。  そうなると、文法定義上は辞書登録形について「原形・未然形・打消形・連用形現在・連用形過去または完了・終止・連体形現在・連体形過去または完了・仮定形・已然形・命令形」の十二種があればいい(かなベースで文法記述をすると、けっこう酷い目に遭うが、それでも三千行に満たない)し、文法上の説明では「過去または完了時制において、語幹の末尾音(かつ指標音)が消失あるいは変化する」で済む。  ここでの問題は、p・f 音の転である h 音が聞きとれなくなって指標音としての役割を失ったために、h 行音末尾の動詞が a・o・u 音末尾の動詞になってしまったことである。「笑ふ(warah)」は「笑う(wara)」になり、「襲ふ(osoh)」は「襲う(oso)」になる、「食ふ(kuh)」は「食う(ku)」になった。それがあって中学時代の国語教師と喧嘩になり、高校に入ってから岩淵悦太郎(橋本進吉の弟子である)の「文語文法」に到達してローマ字を経て現代文法に戻ってくるという遠回りをした。  日本語教育では、そもそも活用表からしてローマ字なのだから、こんな苦労はいらない。  そうした余計な苦労を国語教育から追い払うために、本項を立てた。--早朝の掃除屋会話2023年7月24日 (月) 11:09 (UTC)[返信]