ノート:ブレーンワールド

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 多分、項目の統合のため、記述が前後していたり、重複し、食い違っていたりしてちぐはぐな記述になっていましたので、調整してみました。複数の執筆者の方々のご意向を尊重しながら統一をとるようにしたつもりですがいかがでしょうか。もとの文章はほとんど残してありますが、次の2点、事実に照らして修正しました。

1) 挿入された「ブレーンワールドの概念は、もともと近年の超弦理論の進展に基づき提唱され、現象論的側面から考察されてきたが、特に、1999年に・・・」という記述と、もとからあった「空間の埋め込みの数学的研究は19世紀に遡る。これに対し、今日のようなブレーンワールドの基本概念の多くは、1980年代頃から研究され、発展してきた。・・・」という記述は重複しており、多少食い違っているように見えますが、筆者らの知識と調査によるとは事実は次のとおりのようです。  ブレーンワールドの概念は超弦理論への応用以前に、場の理論に基づいて提唱され、発展しました。例えば、topological defect によるブレーンワールドやブレーンワールドへの場のトラップ brane induced gravity、warped bulkなどは超弦に応用される以前に提唱され、今日でも重要な基本概念になっています。こうしたブレーンワールドの概念はむしろ超弦理論で重要な役割を担うD-braneなどの概念形成に影響を与えたと考えられます。例えば1986年のブレーンワールドを強く意識した論文"supermembranes"の著者のひとりJoseph Polchinski が、後に超弦理論のD-brane を提唱 しています(下記リスト参照)。D-braneは超弦理論のtopological defectで、超弦の端点が載る膜であり、超弦の低エネルギーモードである素粒子が載っている膜とみなすことができます。これはまさに場の理論的なブレーンワールドのアイディアを超弦理論で実現したものといえます。しかし、ブレーンワールドの研究の方からみると、「超弦理論に基づく」ものが全体の動向とは言いがたいようです。そこで、「ブレーンワールドの概念は、もともと素粒子論、場の理論(field theory)に基づき提唱され、研究されてきたが、その後、超弦理論(superstring theory)に応用されてD-ブレーン(超弦の端点が載るブレーン)などの概念が確立し、さらに発展した。」という記述にしました。

2) また、他項目の挿入によって、ランドール・サンドラム模型の記述が重複していました。そこで、後の方の(もともとの)記述「例えば、リサ・ランドール(Lisa Randall)とラマン・サンドラム(Raman Sundrum)は1999年に2つのモデルを発表し、……」は削除し、前の(挿入された)記述に吸収しました。これに関して筆者が前回付け加えた「5次元時空のワープ(ゆがみ)による階層性の説明、5次元重力子の4次元への拘束の機構を提案し、反響を呼んだ。」の部分は、細かすぎてバランスを欠くので削除しました。広く研究の動向をみると、ランドール・サンドラム模型だけに基づいているわけではありません。それに先立って提唱され大きな影響のあったのは1980年代の諸模型やアントニアディス・アルカニハメド・ディモポーロス・ドヴァリ(AADD)らの模型であり、近年はドヴァリ・ガバダジェ・ポラッティ(DGP)模型に関する研究が盛んになっています。もちろん、これらに関係なく、独自の模型に関する論文がたくさんあります。記述がひとつの模型に偏らないように配慮して、複数の模型を並列して言及しました。  また、統合による挿入部分の最後の段落「ブレイン宇宙モデルでは、一般に余剰次元の効果の現れる・・・・観測されると期待されている。」の部分は近年ないし展望のことですので最後に移しました。これでつながりがよくなるように思います。「ブレイン」という表記は「ブレーン」に統一しました。これは単に一貫しているほうが体裁がよいと思ったからです。ブレーンワールドという言葉自体は、既存概念に対して後になって付けられた名前ですが、本文の冒頭に示された意味で過去のものにさかのぼって使うのが一般的になっているようです。  埋め込みの数学的な研究(19世紀から)とブレーンワールド研究の文献(2001年まで)はMatej Pavsic and Victor Tapia, " Resource Letter on geometrical results for Embeddings and Branes " e-print arXiv:gr-qc/0010045 (http://xxx.lanl.gov/abs/gr-qc/0010045) のreferenceにかなり詳しくリストされています。ブレーンワールドの文献は最終章のリストにあります。このリストで洩れている重要文献の一部を下に補充しておきます。

C.G. Callan Jr. and J.A. Harvey, Nucl. Phys. B250, 427 (1985).  James Hughes, Jun Liu and Joseph Polchinski, Phys. Lett. B180, 370 (1986). Jin Dai, R.G. Leigh and Joseph Polchinski, Mod. Phys. Lett. A4, 2073 (1989).  Ignatios Antoniadis, Phys. Lett. B246, 377 (1990).  J. Polchinski, Phys. Rev. Lett. 75, 4724 (1995).  P. Horava and E. Witten, Nucl. Phys. B460, 506; B475, 94 (1996).  N. Arkani-Hamed, S. Dimopoulos, and G. Dvali, Phys. Lett. B429, 263 (1998); Phys. Rev. D59, 086004 (1999).  I. Antoniadis, N. Arkani-Hamed, S. Dimopoulos, and G. Dvali, Phys. Lett. B436, 257 (1998).  T. Shiromizu, K. I. Maeda, and M. Sasaki, Phys. Rev. D62, 024012 (2000).

--B2008 2008年10月14日 (火) 04:01 (UTC)[返信]


高次元模型の発展と歴史に関して概要を書き換えました。 要旨は「KK理論(重力-電磁気力統一目的)→弦理論の高次元→現象論」です。 歴史的な流れはこれが正しいかと。詳細は現象論の人が書いてる高次元の投稿の序章なりに詳しく書かれてます。 --120.75.71.16 2010年6月28日 (月) 19:28 (UTC)[返信]