セロジネ・ニティダ

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セロジネ・ニティダ
セロジネ・ニティダ
Coelogyne nitida
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
亜科 : セッコク亜科 Epidendroideae
: Coelogyneae
: セロジネCoelogyne
: セロジネ・ニティダC. nitida
学名
Coelogyne nitida (D. Don) Lindl.

セロジネ・ニティダ Coelogyne nitida (D. Don) Lindl. はセロジネ属ラン科植物の一つ。やや小さな白い花をつけ、よい香りがある。

特徴[編集]

着生多年生植物[1]偽鱗茎は長卵形から卵状柱形と細長くなっており、長さは3.5-7cmになる。は偽鱗茎の先端に2枚あり、葉柄が区別でき、その長さは4-5cm。葉身は長楕円状披針形で長さは12-22cm。

花期は自生地では4-6月で、花茎は全長12-25cm、4-8個のをつけ、花茎はその節ごとに少し折れ曲がる。子房はその柄を含めて長さ1.5-2.5cmになる。花は白くて直径3.5-4.5cmになる。唇弁の中裂片は三角状広卵形。唇弁の中央に4本の隆起がある[2]

分布と生育環境[編集]

ヒマラヤガルワールから東南アジア中国雲南省まで分布する[3]

ヒマラヤでは山地帯の明るいカシ林や混交林の木に着生してみられるが、時として倒木や岩の割れ目に生育するのが見られる[3]。海抜100-200mの高地に見られるものである[4]

利用[編集]

洋ランの1つとして観賞用に栽培される。この属の中では普及している方ではあるが、一般の花店などで見かけることは少ない。

ヨーロッパへの導入は古く、1822年に持ち込まれた[4]

出典[編集]

  1. ^ 以下、主として吉田(2005),p.706
  2. ^ 園芸植物大事典(1994),p.2832
  3. ^ a b 吉田(2005),p.706
  4. ^ a b 石井、井上編集代表(1969),p.485

参考文献[編集]

  • 吉田外司夫、『ヒマラヤ植物大図鑑』、(2005)、山と渓谷社
  • 石井林寧、井上頼数編集代表、『最新園芸大辞典 第1巻 (A-COE)』、(1969)、誠文堂新光社