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扁形動物 Pseudobiceros bedfordi がペニスフェンシングの準備をする様子。P. bedfordiは、精子を相手の体内に注入するのではなく、皮膚にかけることで例外的な種である。

ペニスフェンシング(Penis fencing)は交尾行動の1つで、プセウドセロス・ハンコッカヌスなどのヒラムシプラナリアを含む多くの扁形動物にみられる行動である。この行動を取る種は両性具有、つまり各個体が卵を産生する子宮と精子を産生する精巣を持つ。

扁形動物のフェンシング(小突き合い)は、小刀のような2つの突起を持つ伸張性のある管を用いて行われる。この管はペニスフェンシングをする両方の個体から伸ばされ、交尾相手の表皮を貫き、血体腔と呼ばれる組織や器官の間隙(体内循環に関連する箇所)に精子を注入する。この相手の身体を貫いて受精させる方法は外傷的授精(traumatic insemination)と呼ばれる。

交尾個体同士は一方だけが精子を交尾相手に注入するか、あるいは相互に注入させるために競争する。しかし種々の要因により、1種にて一方向あるいは双方向の精子注入が起こる場合も確認されている[1]

  1. ^ Schmitt, Valerie; Anthes, Nils; Michiels, Nico K (2007-07-04). “Mating behaviour in the sea slug Elysia timida (Opisthobranchia, Sacoglossa): hypodermic injection, sperm transfer and balanced reciprocity”. Frontiers in Zoology 4: 17. doi:10.1186/1742-9994-4-17. ISSN 1742-9994. PMC 1934903. PMID 17610714. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1934903/.