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米国政府は最終的に、これはおそらくスパイ行為の試みであり、この結論には異議が唱えられているものの、大使館職員に重大な健康影響はないと判断した<ref>{{Cite journal|url=https://www.degruyter.com/document/doi/10.1515/reveh-2018-0061|doi=10.1515/reveh-2018-0061|title=The "Moscow signal" epidemiological study, 40 years on|last1=Martínez|first1=Jose A.|journal=Reviews on Environmental Health|volume=34|issue=1|pages=13–24|pmid=30676008|s2cid=59224887|date=2019-1-6|accessdate=2022-3-14}}</ref>。
米国政府は最終的に、これはおそらくスパイ行為の試みであり、この結論には異議が唱えられているものの、大使館職員に重大な健康影響はないと判断した<ref>{{Cite journal|url=https://www.degruyter.com/document/doi/10.1515/reveh-2018-0061|doi=10.1515/reveh-2018-0061|title=The "Moscow signal" epidemiological study, 40 years on|last1=Martínez|first1=Jose A.|journal=Reviews on Environmental Health|volume=34|issue=1|pages=13–24|pmid=30676008|s2cid=59224887|date=2019-1-6|accessdate=2022-3-14}}</ref>。

== 背景 ==
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マイクロ波ビームは、10階建ての大使館の建物の東約100メートル(109ヤード)のアパートの建物の光源から来た。ビームは建物の東側を対象とし、3階と8階の間で最も強度が高かった<ref name=":1">{{cite journal|vauthors=Elwood JM|date=November 2012|title=Microwaves in the cold war: the Moscow embassy study and its interpretation. Review of a retrospective cohort study|journal=[[Environmental Health]]|volume=11|pages=85|doi=10.1186/1476-069X-11-85|pmc=3509929|pmid=23151144}}</ref>。

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ソビエト連邦が米国大使館でマイクロ波送信を指示する多くの理由がある。これらの可能性の中には、マイクロ波送信が米国の諜報活動で盗聴技術を誘因するために使用されたという最も可能性の高い理論がある<ref name=":02" />。他の理論には、電子妨害や、技術がアメリカ大使館職員の健康、精神、または行動を妨害するために使用されたという、証明されていないが人気のある学派が含まれる<ref name=":02" />。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2022年4月25日 (月) 07:33時点における版

モスクワ・シグナル事件(Moscow_Signal)とは、1953年から1976年にかけてモスクワにあるアメリカ大使館で低出力のマイクロ波が検出された事件。

検出されたマイクロ波の出力は年代により異なるが、強い時で15マイクロワット[1]ほどだった。この出力は、アメリカの安全基準の10ミリワット[2]を3桁も下回っていたが、ソ連の安全基準の10マイクロワット[1]を超えていたために、様々な憶測を生んだ[3]

米国政府は最終的に、これはおそらくスパイ行為の試みであり、この結論には異議が唱えられているものの、大使館職員に重大な健康影響はないと判断した[4]

背景

「モスクワ・シグナル」は、米国の諜報当局が大使館で記録された低電力信号を説明するために使用した名称である[5]。マイクロ波の送信は1平方センチメートルあたりわずか5マイクロワットで[5]、これは電子レンジ内の放射照度と何かを加熱するために必要な放射照度を、はるかに下回っている[6]。だが、これらのシグナルはソビエト連邦の最大曝露基準よりも100倍強力で[5]、米国当局の間で懸念を引き起こした。

マイクロ波ビームは、10階建ての大使館の建物の東約100メートル(109ヤード)のアパートの建物の光源から来た。ビームは建物の東側を対象とし、3階と8階の間で最も強度が高かった[7]

1953年の定期的なバックグラウンド放射線テスト中に、マイクロ波が検出され、疑いのあるソビエト軍に供給された[7]。 11年後、マイクロ波に対するシールドが最終的に導入された[6]。シグナルの定期的な監視中に、1975年にビームの強度が増加したことが発見された[7]。これらのマイクロ波の発見は、1976年2月まで一般市民や多くの大使館職員に認知されていなかった[8]

ソビエト連邦が米国大使館でマイクロ波送信を指示する多くの理由がある。これらの可能性の中には、マイクロ波送信が米国の諜報活動で盗聴技術を誘因するために使用されたという最も可能性の高い理論がある[6]。他の理論には、電子妨害や、技術がアメリカ大使館職員の健康、精神、または行動を妨害するために使用されたという、証明されていないが人気のある学派が含まれる[6]

脚注

  1. ^ a b 浜田 1995, p. 199.
  2. ^ 浜田 1995, p. 198.
  3. ^ 浜田 1995, p. 191-192.
  4. ^ Martínez, Jose A. (2019-1-6). “The "Moscow signal" epidemiological study, 40 years on”. Reviews on Environmental Health 34 (1): 13–24. doi:10.1515/reveh-2018-0061. PMID 30676008. https://www.degruyter.com/document/doi/10.1515/reveh-2018-0061 2022年3月14日閲覧。. 
  5. ^ a b c Weinberger, Sharon (8 Aug 2017). "The Secret History of Diplomats and Invisible Weapons." Foreign Policy. Archived from the original.
  6. ^ a b c d Reppert, Barton (AP) (22 May 1988). "Zapping an Embassy: 35 years Later, the Mystery Lingers." Times Daily [Ala.] p. 6D.
  7. ^ a b c “Microwaves in the cold war: the Moscow embassy study and its interpretation. Review of a retrospective cohort study”. Environmental Health 11: 85. (November 2012). doi:10.1186/1476-069X-11-85. PMC 3509929. PMID 23151144. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3509929/. 
  8. ^ Staff writer (22 Mar 1976). "Foreign Relations: The Microwave Furor." TIME Magazine, vol. 107, no. 12 (Mar. 22, 1976), p. 15. Archived.

参考文献

関連項目