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「ヴォイタ予想」の版間の差分

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2014年6月6日 (金) 10:02時点における版

数学では、ヴォイタ予想(Vojta's conjecture)は、 Vojta (1987)により導入された、有限体上の代数多様体の点の高さについての予想である。予想は、ディオファントス近似複素解析(complex analysis)のネヴァンリーナ理論英語版(Nevanlinna theory)(値分布論)の間の類似を動機としていた。ヴォイタ予想は、多くのディオファントス近似論やディオファントス方程式、数論幾何、ロジックの予想を含んでいる。

予想の記述

を数体とし、 非特異代数多様体、 上の悪くとも正規交叉を持つ有効な因子 の上の豊富な因子、 の標準因子とする。 をヴェイユの高さ函数を選び、 上の各々の絶対値 に対し、局所高さ函数を とする。 の絶対値 の有限集合を固定し、 とすると、上記の選択に依存しない定数 と空でないザリスキー開集合 が存在し、全ての に対し、

を満たす。

1、 とすると、 であるので、ヴォイタ予想からは、すべての に対し、
であることが分かる。
2、 を、例えば、K3曲面カラビ・ヤウ多様体のような自明な標準バンドルを持つ多様体とすると、ヴォイタ予想は、 を有効な豊富な正規交叉の因子とすると、アフィン多様体 上の -整な点は、ザリスキー稠密ではないことを予言する。
3、 一般型の多様体、つまり、 のある空ではないゼリスキー開集合上で豊富であるとすると、 に対し、ヴォイタ予想は、 上のザリスキー稠密でないことを予言する。この一般型多様体の命題は、ボンビエリ・ラング予想英語版(Bombieri-Lang conjecture)である。

一般化

の上で変化するような一般化が存在し、体の拡大 の判別式とは独立な上限を持つ項が加わる。

非アルキメデス的な局所的高さ が消去された局所的高さと置き換わる一般化が存在する。この高さでは、多重度を無視することが可能である。これらのヴォイタ予想のバージョンは、abc予想の自然な高次元類似をもたらす。

参考文献

  • Vojta, Paul (1987), Diophantine approximations and value distribution theory, Lecture Notes in Mathematics, 1239, Berlin, New York: Springer-Verlag, doi:10.1007/BFb0072989, ISBN 978-3-540-17551-3, MR883451