「トマエ関数」の版間の差分

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{{出典の明記| date = 2023年9月}}
[[File:Thomae function (0,1).svg|200px|right|thumb|区間(0,1)においてトマエ関数をプロットしたもの]]
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'''トマエ関数'''とは、{{ill|カール・ヨハネス・トメ|en|Carl Johannes Thomae}} にちなんで名づけられた関数であり、'''ポップコーン関数'''、'''雨滴関数'''などの多くの別名を持ち、次のように定義される。
'''トマエ関数'''とは、{{ill|カール・ヨハネス・トメ|en|Carl Johannes Thomae}} にちなんで名づけられた関数であり、'''ポップコーン関数'''、'''雨滴関数'''などの多くの別名を持ち、次のように定義される。
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:<math>f(x) =
:<math>f(x) =
\begin{cases}
\begin{cases}
\frac{1}{q} &(x=\tfrac{p}{q},\quad x \in \Q\setminus\{0\}, p \in \mathbb Z, q \in \mathbb N, \gcd(p, q)=1),\\
1/q &(x = p/q,\ x \in \Q \setminus \{0\},\ p \in \mathbb Z,\ q \in \mathbb N,\ \gcd(p, q) = 1),\\
1 &(x=0),\\
1 &(x = 0),\\
0 &(x \in \R\setminus\Q).
0 &(x \in \R \setminus \Q).
\end{cases}
\end{cases}
</math>
</math>


この関数は各有理点において[[不連続]]である一方で、各無理点において[[連続]]である。このように不連続点が[[稠密集合|稠密]]で無限個あるにも関わらず(定義式の似ている[[ディリクレの関数]]とは異なり)、この関数は区間 {{math|[0, 1]}} 上で[[リーマン積分]]可能であることが示せる(<math> \textstyle \int_0^1 f(x) \, dx = 0 </math>)。
この関数は[[ディリクレの関数]]を修正したものである。

== 参考文献 ==
* {{cite book
|last = Abbot
|first = S.
|title = Understanding Analysis
|edition = Second
|year = 2015
|publisher = Springer
|isbn = 978-1-4939-2711-1
|ref = harv
}}


==関連項目==
==関連項目==

2024年4月26日 (金) 12:45時点における版

区間(0,1)においてトマエ関数をプロットしたもの

トマエ関数とは、カール・ヨハネス・トメ英語版 にちなんで名づけられた関数であり、ポップコーン関数雨滴関数などの多くの別名を持ち、次のように定義される。

この関数は各有理点において不連続である一方で、各無理点において連続である。このように不連続点が稠密で無限個あるにも関わらず(定義式の似ているディリクレの関数とは異なり)、この関数は区間 [0, 1] 上でリーマン積分可能であることが示せる()。

参考文献

  • Abbot, S. (2015). Understanding Analysis (Second ed.). Springer. ISBN 978-1-4939-2711-1 

関連項目