量子細線
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量子細線 (りょうしさいせん、英: quantum wire) とは、電子や正孔の移動方向が一次元のみに束縛された状態もしくは構造。
概要
[編集]電子や正孔の移動方向を一次元に束縛することにより半導体レーザーに適用した場合には低閾値動作、温度安定性などの特性の飛躍的向上が理論的に予測されている。分子線エピタキシー法(MBE)とへき開再成長法で作成する[1]。量子効果デバイスを実現するためには活性領域となる半導体を他の半導体材料で覆い尽くす必要があり、電子の低次元性の特長を生かすためには大きさの均一性も非常に重要となる[2]。
特徴
[編集]- 従来の半導体素子と比較して低消費電力
- 温度安定性が向上する
- 製造が困難
脚注
[編集]- ^ “T型量子細線における高密度1次元電子正孔系からのレーザー発振の研究”. 2019年1月2日閲覧。
- ^ 福井孝志、「量子細線・結晶成長」 『表面科学』 2010年 31巻 1号 p.13-18, doi:10.1380/jsssj.31.13
参考文献
[編集]- 福井孝志, 安藤精後、「選択成長を利用した量子細線・量子箱の作製」 『応用物理』 1992年 61巻 2号 p.141-144, doi:10.11470/oubutsu1932.61.141
- 荒川泰彦、「有機金属気相選択成長による量子細線の作製とその光物性」 『応用物理』 1992年 61巻 8号 p.800-804, doi:10.11470/oubutsu1932.61.800
- 和田一実、「半導体量子微細構造制御の基本的限界」 『応用物理』 1995年 64巻 7号 p.653-659, doi:10.11470/oubutsu1932.64.653