飛行潜水艦
飛行潜水艦(ひこうせんすいかん,Flying U-Boot)は飛行、水上航行もでき、潜水もできるという航空機である。1930年代のソビエト連邦などで研究された。1960年代にはアメリカで、R/C潜水艦マニアのドナルド・V・リードが、潜水可能な航空機を製作して、実際に飛行と潜水を行った。潜水艦に要求される技術と航空機の技術はまったく異なるもので、構想検討を超えることはできなかった。
Ushakovの飛行潜水艦
1930年代のソビエト連邦は海軍力の増強を始め、多くの新技術の提案を求め、飛行潜水艦のプロジェクトも立ち上げられた。ロシア語で飛行潜水艦(Летающая Подводная Лодка)と呼ばれるプロジェクトは、潜望鏡を備えた3発の水上機の計画で、 1934年から1938年の間、Boris M. Ushakov (Борис П. Ушаков)が設計をおこなった。Ushakovの飛行潜水艦は飛行用に1200馬力のエンジンを積んで185km/hで飛行し、45mの深度まで潜水し、2本の18インチ魚雷で攻撃する計画であった。
RFS-1
1960年代にアメリカ合衆国ニュージャージー州のR/C潜水艦マニアのドナルド・V・リードが中古飛行機のパーツからRFS-1 という水上機を組み立て、1962年に息子の操縦で飛行した。プロペラを取り外して、ゴムでエンジンをシールして、パイロットがアクアラングをつけて潜水を行った。1馬力の電気モーターで3.5mの深さに潜水した。1964年6月9日に、2mの潜水航行と10mの高度の飛行に成功した。