辻本嘉三郎

辻本 嘉三郎（1874年 - 1949年、村岡嘉三郎） は日本の実業家・政治家。辻本商店株式会社の創業者。京城評議会議員を務めた。

経歴

明治7年村岡家の三男として生まれる。村岡家は大阪天満で乾物問屋を営んでいた。

その後、後継者のいない親戚、辻本家に養子として向かい入れられる。また朝鮮半島での食料品市場を開設するに際して、韓国財政顧問である目賀田種太郎男爵や天満市場より推挙され、京城府（現在のソウル）に移住する。

現地では私設市場を設立し、南大門市場にて辻本商店株式会社を設立する。 その後、同社は味の素やアサヒビールと特約店契約を結び、朝鮮半島で最大規模の食料品卸売・小売会社にまで成長する。支店は大阪、清華、平壌に設立された。

辻本は京城商工組合連合会会長、京城食料品道商組合長、朝鮮貯蓄銀行取締役、朝日醸造取締役、京城食堂取締役、京仁商船取締役、朝鮮水産販売取締役、朝鮮中央米油取締役などを歴任するなど、韓国の経済界に影響力を持った。他にも、朝鮮製錬の発起人や京城証券信託の創設に携わった。また、京城商工会議所議員や朝鮮博覧会議員、京城府評議会議員を務めた。昭和3年勲7等功7級に叙せられ、昭和７年勲８位に叙せられた。

敗戦後、同社は清算され、辻本は昭和24年大阪で亡くなった。