著作権フリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Chiether (会話 | 投稿記録) による 2011年8月21日 (日) 06:20個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (てにをは修正)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

著作権フリー(ちょさくけんフリー)とは、文字通り解すれば、著作物に、著作権が存在しない状態。あるいは、放棄された状態のことである(アライコウ 2011, p. 136)。しかし少なくとも日本では、利用規約範囲内で断り無く使用できる意味として、権利放棄されたものでないとも指摘される言葉である(妹尾 2006, p. 45)。 英語では、この問題を、認識した上でcopyright freeと表現した著物がある(澤田 & 玉虫 2005, p. 129)。

以下。日本で指摘される事象を、説明する。

指摘される事項について

この誤った使用例は、素材データの分野では、表現上の問題が含まれたまま数多く定着した(アライコウ 2011, p. 136)。 言葉の表現に関わらず利用範囲や配布可能数を、逸脱した場合は、著作権の侵害である(日本商工会議所 2005, p. 172)。

またインターネット上の素材サイトだけでなく、素材集CDなど商用展開されたものであっても注意する必要がある。 例えば写真であれば「加工の禁止」「商用利用の禁止」という可能性があるため使用許諾の確認を、行うよう指摘されている(富士通オフィス機器株式会社 2006, p. 17)。

ソフトウェアデータについても「無料であること」(フリーウェア)は、(正しい意味での)著作権フリーとは違うものであると指摘されている(亀山 2006, p. 223)。 このように、日本語で使われる「フリー」という言葉は、曖昧なまま使用されてきたものである。

関連項目

参考文献

  • 澤田, 善彦; 玉虫, 幸雄 (2005年1月), DTPエキスパート用語辞典(改訂版), 日本印刷技術協会, ISBN 978-4889830767 
  • 日本商工会議所 (2005年3月), ネット社会対応ガイドブック―EC実践能力検定試験1級公式テキスト, FOM出版, ISBN 978-4893115706 
  • 妹尾, 純子 (2006年7月), パソコンレシピの宝石箱, 文芸社, ISBN 4-286-00299-3 
  • 富士通オフィス機器株式会社 (2006年8月), よくわかるホームページ・ビルダー使いこなしブック, FOM出版, ISBN 978-4893116475 
  • 亀山, 渉 (2006年12月), デジタル・コンテンツ流通教科書, インプレスR&D, ISBN 4-8443-2342-3  (該当節の著作者不明)
  • アライコウ (2011年4月), XNovelでつくるiPhoneノベルゲーム, 秀和システム, ISBN 978-4-7980-2940-5 

関連文献

  • 浜田, 治雄 (2006年7月), 知恵の守護法(著作権法編), 文芸社, ISBN 4-286-00299-3 
インターネット上の「著作権フリー」は、利用可能範囲が曖昧であると指摘。