磁性体論理素子

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磁性体論理素子(英名:Magnetic logic) はフェライトコアの非線形特性を利用した、磁性体を利用した電子回路で構成される論理回路である[1]。ドーナツ型の磁性体コアの、磁化が時計回りか反時計回りか、によって0と1を表す[2]

AND、OR、NOTとクロックシフト論理ゲートなどが、適切な配線とダイオードの併用により構築可能である。採用機として、「ALWAC 800」は完成したが、商業的には成功しなかった。「Elliott 803」は(論理機能用)磁気コアと(増幅用)ゲルマニウムトランジスタプロセッサに使用しており、商業的に成功した。

磁性体論理素子のスイッチ速度はおよそ1MHzに到達できたが、遥かに高速なスイッチ速度の半導体製の電子回路に追い越された。

磁性体論理素子の利点は不揮発性であることで[3]、電源を遮断しても状態を失わない。磁気コアメモリはコンピュータ史上このタイプの論理素子が最も多用された形態で、20年以上使用された[1]

関連項目

出典

  1. ^ a b All-Magnetic Logic”. Timeline of Innovations. SRI International. 2013年7月1日閲覧。
  2. ^ MAGNETIC CORES - PART I - PROPERTIES - Department of Defense 1962 - PIN 28374 - PROPERTIES OF MAGNETIC CORES AND THEIR APPLICATION IN DATA PROCESSING SYSTEM; HOW INFORMATION IS STORED AND TRANSFERRED FROM ONE CORE TO ANOTHER.
  3. ^ 不揮発性である一方で、破壊読み出しでもあるため、DRAMと同様に読んだら書き戻さなければならない、という点は現代の我々からはすぐにはピンと来ない特性である。

外部リンク