従事

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従事(じゅうじ:または従事掾あるいは従事員)は、漢代に始めて置かれた刺史に属する幕僚秘書である。

従事の語が初めて見えるのは『詩経』「小雅・十月之交」で、「黽勉從事,不敢告勞。(黽勉(びんべん)として事に従う、敢て労を告げず)」[1]である。

漢の時、すでに別駕従事史・治中従事史があり、刺史に仕える属官であった。「自言受命移郡國,與刺史從事(自ら言う、命を受けて郡国を移り、刺史と与(とも)に事に従う)」[2]

漢末に至ると、刺史の権限は重くなり、文学従事・勧学従事等も増設した。北魏孝文帝は諸州従事を止め、参軍を置いた。開皇12年(592年)、従事を改め参軍とした。

注釈

  1. ^ 「精魂込めて仕事について、その疲れなど口にはすまい」と解される。「黽勉」は「精を出す」「勉め励む」こと。黽勉 - コトバンク
  2. ^ 衛宏『漢旧儀』。