地震予測

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戦前の地震予測の成功事例

大正から昭和の大きな巨大地震がどちらも20年近く前から予測されていた。

・大正関東大震災(1923年)・・・1900年頃に東京大学の今村明常助教授によって関東地震の発生が提唱された。

・昭和東南海地震(1944年)昭和南海地震(1946年)・・・関東大震災の後、今村明常教授によって、南海地震の発生が予想され、

和歌山県に私設で南海地震動観測所が設置された。これが現在の東大地震研究所 和歌山観測所となっている。

この後、「地震の征服」という本が今村明常教授に書かれ、公的機関のPDFによりネット上から内容の閲覧が可能である。

驚くべき内容が書かれている。

平成の地震予測の成功事例(3.11東日本大震災)

1980年代には巨大防潮堤が三陸地方に形成されていた(しかし大半が3.11の津波で倒壊した)

東北大学の今村教授らによって2006年には、京大で三陸津波の学会シンポジウムが開催され、被災した各地の危険性が指摘された。

これに先駆けて、新潟で地震が立て続けに発生したり、インド洋大津波(スマトラ島大地震津波)が発生し、20万人の被災者が出た。

2010年にはNHKの防災番組が開始され、東北大学の今村教授(現在は名誉教授)が出演し、三陸津波の危険性を国民に提示した。

(しかし大半の国民は知らないままだった。)

同様に、韓国の津波映画「ヒョンデ」が日本でも公開され、前売り券には同、今村教授が考案した「防災手ぬぐい」が付録となっている。

また2010年にはチリ地震津波が発生し、三陸まで到達したことで、日本の防災士が日本における地震発生の危険性を指摘している。

統計地震学(統計的な地震予測)

世界各地に配置された、地震計からの測定データを集計し、統計処理を行って、

地震発生を予測するものである。一般的な統計曲線、例えば指数分布、二項分布、ガウス分布といった

曲線を近似的、あるいは仮説的に、適用することで、未来の地震発生を予測する。

・大森公式・・・大地震直後の古典的な余震発生の公式であるが、広義の地震予測といっても良い内容が含まれる。

・グーテンベルク-リヒター則(GR則)

微小地震の数と大地震の数がピラミッド的な段階的に表わされることを示す。

このことから、無感地震が多発すれば、やがて有感地震が発生する可能性が分かる。

小地震が多発すれば、中地震が起こる。また中地震が多発すれば、大地震の発生が懸念される。

・地震発生月/地震発生日/地震発生時間帯

過去の地震発生データから、発生月、発生日、発生時間帯の偏向情報を得るものである。

実際、3.11を見ても分かる通り、発生する時期、季節などには偏りがあり、一定の法則があるとも言われる。

※但し、微小地震など全てのデータを足してしまうと、マスキングされて塗りつぶされ、均一になってしまうので注意が必要。

地方、震度スケール、など細かい条件下で分類し、統計情報を出さなければ役に立たない。

・月齢(新月/満月)、月の引力効果(惑星間引力、天文学的効果)

・地球表面上のプレートが月の引力で引っ張られることから、100年以上前に欧州で論文発表された。

・東大の地震研究所でも3.11以降に統計情報から、月齢が関係していると、論文発表し、新聞などでも取り上げられている。

・近世以前も陰暦を一部使っている国(日本でも江戸時代まで使っていた)統計的に市民が把握していたと言われる。

・明治以降はグレゴリオ暦、陽暦に変更された為、一般国民に月齢の影響が分かり辛くなっていた為、再注目されている。

・地震の目理論・・・琉球大学の名誉教授などが行っている手法

小地震が発生している地点をプロットして、同心円を描き、誤差5年以内に大地震の発生を予測する

という考え方である。上記GR則に則っている考え方であると言える。

・(地震本部)確率論的地震動予測地図

・その他(積雪の効果?など)

学者によっては降雪の影響を唱えたり、太陽系外の恒星や素粒子の影響などの学説もある。

プレートテクトニックな地震予測

・中田の予測モデル

南海トラフが予測できる可能性がある、と言われている理由の一つがこのモデルである。

この予測モデルの公式には、プレートテクトニックな背景が導入されており、

単なる周期性地震予測より正確になっている。

政府の地震調査委員会や、高知県、高知大学が参考としている。

周期性地震予測

複雑系として知られる地震予測であるが、短い時間スケール(または時間間隔)においては

近似的にある程度の周期性を持って発生すると考えられている。変動性は誤差の大きさとして検討される。

また周期性に合致しても、「ある程度、定期的に地震が発生しない周期」が存在している。

その周期性に対する変動性を地球ダイナミクス的に加味し、より正確に地震予測できるかどうかが今後の周期性地震予測の展望である。

以下が有名である。また誤差を小さく取り過ぎていて、地震予測が外れているケースがしばしばある。

例えば小田原地震予測では、1990年-2000年の前後で発生が懸念されていたが、

実際には同じフィリピン海プレートが遠因であるが、近畿地方の活断層による阪神淡路大震災が1995年に発生。

・三陸沖地震津波40年周期説・・・太平洋プレート(日本海溝)の大規模地震

・茨城沖地震20年周期説・・・ローカリエリアにおける小規模地震

・小田原地震70年周期説(相模トラフ地震)・・・フィリピン海プレートによる中規模地震

・関東地震(相模トラフ巨大地震)220年周期説・・・フィリピン海プレートによる中規模地震

遠隔地震(リモート)・誘発地震(トリガー)による地震予測

東南アジアや、南米のチリなどで大きな地震が発生すると、その前後に、日本を含む、世界各地でも

地震津波噴火などが発生していることが多い。

このことを統計的に研究することによって、遠隔地震、誘発地震から、地震予測をする手法である。 ※近年ではネット情報などでもバヌアツの法則などとして警戒が叫ばれている。

噴火からの地震警戒情報

地震と火山噴火は連動して発生することがしばしばある為。

プレート境界型地震の場合、プレートが溶けたマグマが原因で火山噴火を誘発する為である。

典型的な例では、東南アジア(インドネシアやフィリピン)オセアニア(豪州とニュージーランド)、南米がある。

日本でも小笠原や伊豆半島、長野県などで、群発地震と火山噴火の連動性が研究されている。

近年では、東日本大震災と御嶽山の噴火、同おんたけ崩れと長野県の群発地震、

長崎の雲仙普賢岳の噴火と、阪神淡路大震災や芸予地震、鳥取県西部地震などの関連が知られている。

GNSS/GPS(歪計)

・歪計により地面の変位(地殻変動)を観測する。測定機の情報を集め、地震予測を行う手法で、

日本でも土木工学の教授などが行っている「標準的な手法」の一つである。

3.11以降は大きな地殻変動が観測されていることから、比較的容易に、地震発生箇所を

割り出すことが出来るが、非常に広域に及ぶので、震央を正確に特定することは難しい。(数十キロ以内)

・地下天気図プロジェクト(東海大学 地震予知・火山津波研究部)

東海大学の防災センターが地震予測マップなどを公開している。

(熊本地震などもある程度、予想されていたが、東海大学の熊本の学生寮が被災する皮肉な結果となっている。

情報共有化が待たれる。)

電磁気(電磁波、プラズマ、大気圏外)などによる予測

電磁波によるFM波への影響を捉える手法が知られている。

これは地震やプレート運動により岩石(石英など)に圧力をかけて割れた時に電磁波が発生することが知られている為である。

これは雷のようになる為、近年は世界各地で写真やデジカメ・スマホ映像などにより撮影されている。

日本でも昭和以降に長野県などで撮影され、学会で発表された事例がある。

民間による地震予測

現在、民間事業者によるインターネット、スマホアプリなどによる地震予測が多くあり、

不特定多数に見せないように、有料で会員制を取っている所が多い。

今後の展望

現在の技術でも、ある程度、かなりの情報が分かるのだが、

地震予測情報は国防に関係する可能性もあると言われている為、今後も気象庁といった公的な機関で

天気予報のように、地震予報をする可能性は低い、と囁かれている。

下手に情報公開しないよりも、した方が、観光業への影響などが低く抑えられる可能性が

高いと思うが、いかがだろうか。

実際、地方のローカルテレビでは地元限定で防災情報が共有化されている。

地方のマスコミ情報、ネット情報などを閲覧するのも手である。

ごく最近の事例(無数にあり)

・鳥取県中部地震・・・NHK メガディザースターで京大の地震学者により、予測的中させている。震源地も正確であった。

・九州熊本地震・・・同日のNHK メガディザースターで同様に、九州中央部の広域の危険性が指摘された。後に震源地が指摘できなかったと講演会で悔やまれていた。

・石川県の奥能登地方(珠洲市)で2021年新春ころから、群発地震が連発し、地元地震学者によりローカルテレビで警鐘が

鳴らされた。震央、震源地、時期、震源の深さ(深さ10数km)、震域(新潟、富山、石川、一部長野など)、マグニチュードM5前後など、

事前にテレビで想定された範囲の内容で2021年9月に地震が発生している。

最悪のケースでは能登半島地震クラスのM6~7クラス(震度6以上)の可能性というリスクは低いがゼロで無い、とまで言及されていた。

・ネット時代のネット市民の地震予測の的中確率の高さ。

3.11以降は大量のデータが蓄積された為、かなり多くのネット民が割と簡単に当てられるようになったとも言われている。

(20~30程度の地震を的中させた、という方は割とザラにおられ、阪神淡路や長野県や新潟県などの被災者だったというケースが多い。)

地震経験者、体験者であれば、情報を収集する防災能力が向上している為、割と地震が予測できるようだ。

ツイッターなどでも多くの情報が寄せられる為、正確性が高まっているとのこと。