メチレンシクロプロパン

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メチレンシクロプロパン
識別情報
CAS登録番号 6142-73-0
PubChem 80245
ChemSpider 72487
特性
化学式 C4H6
モル質量 54.09
密度 0.8 g/cm3
沸点

9 - 12 °C, 270 K, 19 °F

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

メチレンシクロプロパン(Methylenecyclopropane)は、化学式(CH2)2CCH2で表される有機化合物である。簡単に凝縮される無色の気体であり、有機合成試薬として用いられる。

合成法

ナトリウムアミドのような強塩基を用いた、β-ハロアルケンの分子内環化反応により生成する[1]

反応

大きく歪んだ不飽和分子であるメチレンシクロプロパンは、特に金属触媒下で多彩な反応をする[2] 。例えば、白金触媒下では、メチレンシクロプロパンは、シクロブテンへと変換される[3]。この反応は、ビニルシクロプロパン転位に見られるような、環拡大反応の一種であると考えられる。

メチレンシクロプロパンの異性化
メチレンシクロプロパンの異性化

脚注

  1. ^ Salaun, J. R.; Champion, J.; Conia, J. M. (1977). "Cyclobutanone from methylenecyclopropane via oxaspiropentane". Organic Syntheses (英語). 57: 36.; Collective Volume, vol. 6, p. 320
  2. ^ Nakamura, I.; Yamamoto, Y. (2002). “Transition Metal-Catalyzed Reactions of Methylenecyclopropanes”. Advanced Synthesis and Catalysis 344 (2): 111–129. doi:10.1002/1615-4169(200202)344:2<111::AID-ADSC111>3.0.CO;2-0. 
  3. ^ PtCl2-Catalyzed Rearrangement of Methylenecyclopropanes Alois Fürstner and Christophe Aïssa J. Am. Chem. Soc.; 2006; 128(19) pp 6306 -6307; Abstract