デフォルト (コンピュータ)
コンピュータ・ソフトウェア分野でデフォルト(英: default)は、主に「初期設定値、工場出荷時値、標準値」などの意味で使われることが多く、特に説明がなければ「標準(の)」という意味で使われる。
デフォルト値
デフォルト値 (英: Default value) は、「ユーザが入力するはずの値に入力が無かった場合に使う為に、プログラム側であらかじめ準備された設定値」のこと。ユーザが値の入力を怠った場合は、あたかもそのデフォルト値が入力されたものとみなしてプログラムは動作する。
名称の由来は、幅広い機種やさまざまな環境で動作させるための環境設定が、システム管理者や開発者にとって(特にINIファイルの新規作成においては)面倒な作業であるため、最善な設定値ではないが概ね幅広い環境で動作するであろう暫定的な設定値を準備することで、環境設定入力作業を一部又は全部省略することが可能となった。この準備された設定値を「怠慢」、「怠ける」、「怠る」等の意味を持つ「デフォルト」を用いてデフォルト値と呼ばれ、関係者の間では略して「デフォ値」と呼ぶ事もある。
デフォ値の決定については、システムの互換性重視や使用頻度重視を配慮し、システムエンジニアがシステム設計段階で決定される値もあれば、プログラマがコーディング段階で決定される値もあり、場合によってはユーザーのニーズによって決定することもある。
「デフォルト・バリュー」、「初期設定値」、「標準値」、「既定値」、「工場出荷時設定」、「暗黙値」などともいう。Macintoshでは「省略時設定」という訳語が用いられたこともあった。
なお、「デフォルト設定」は、設定群(≒全ての設定項目)がデフォルト値にセットされている状態(あるいはユーザ指定が全く為されなかった場合)のことを指す語であり、ある単一の設定値の状態について述べる際には適当でない。
コンピュータに慣れ親しんだ者同士の会話では、コンピュータ分野以外の一般的事象についてもこの語をしばしば流用する[1]。特に口語では、略して「デフォ」と言うこともある。さらに最近では、ゲームの設定を初期状態にする意味で利用されることもある。
但しこの場合は、本来の意味である「怠慢」、おろそかにすること等の意味ではなく、「基本」、「通常」、「普通」、「一般的」、「当然」、「当たり前」、やって然るべき当然の行動であること等の意味として、正反対に用いられているようである。