Wikipedia:井戸端/subj/商標と著作権と

登録商標を掲載しても「商標権侵害」にはならない[編集]

ウィキペディアでは、固有の企業や商品の説明が多数されていますが、当該企業や商品を表示するロゴ(登録商標)そのものの画像、またはそれを撮影した写真をアップロードすると、しばしば「商標権侵害である」との理由から、削除されてしまいます。しかし、以下の理由から商標権侵害は成立しえず、正しくは「著作権侵害の疑い」を理由として削除されるのが正しいと考えます。そう考えてよろしいでしょうか。

  1. 商標法によれば、登録商標が無断で「使用」されることが商標権侵害の要件です(商標法25条)。そして、商標の「使用」とは、形式的には商標法2条3項各号に列挙された態様による使用であると定義され、本質的には、商標の機能である「自他商品等識別力」を発揮する態様での使用であると解釈されています。ところが、ウィキペディアにおいて、企業や商品を説明することを目的として当該登録商標を掲載することは、商標法2条3項各号に列挙された商標の使用態様のいずれにも該当することなく、「自他商品等識別力」を発揮する態様での使用にも該当しません。
  2. 商標は図形(いわゆるロゴ)によるものと、文字によるものがあります。前者の場合であって、そのロゴのデザインに芸術性が認められる場合には、「著作物」たる要件を満たし、著作権が生じることがあります。その場合、当該商標をウィキペディアに無断掲載することは、著作権侵害となります。

以上です。固有の企業や商品を表示する「ロゴ」は、2番目の理由から削除されると考えます。認識違いがあればご指摘ください。 --- 全中裏 2005年9月10日 (土) 14:47 (UTC)[返信]

これは何ですか? 私見ですか? それとも一定の評価を受けた学説ですか? ウィキペディアでの削除の評価基準とできるのかどうかわからないので、もう少し情報をお願いします。--Tamago915 2005年9月12日 (月) 00:06 (UTC)[返信]
ウィキペディアで商標を掲載することが「商標の使用」に当たるかどうかは判断を避けますが、日本語版では、少なくともライセンス上の問題で提供は不可能です。日本語版ウィキペディアでは、画像は GFDL もしくはパブリックドメインで提供することが規定されていますが、ウィキペディア外部で無断で使用されると違法になる可能性のあるロゴの画像を GFDL として提供することはできません。また、ロゴはパブリックドメインではありません。ウィキメディア関連のロゴ(ページ左上の球状のロゴなど)も、ウィキメディア財団が著作権を持つ著作物であり、ウィキペディア外部へ無断で提供することができないため、ロゴを含む画像を GFDL で提供することは認められていません(つい最近確認しました)。--Tamago915 2005年9月12日 (月) 09:16 (UTC)[返信]
【前半について】日本語版と英語版で対応が異なる理由がわかりません。できればご教授いただけますでしょうか。ウィキペディア外部で無断で使用されると違法になる可能性があるのは、英国や米国でも同様です。例えば、英語版にはロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの商標「LSE」(赤地に白い文字)が掲載されているようですが、これを商標として使用すると違法になるのは、英国や米国においても同様です。【後半について】「ロゴはパブリックドメインではありません」とありますが、ロゴ(図形商標)は常にパブリックドメインでない(著作物ではない)ということにはなりません。裁判所で著作物ではないと判断されたロゴもあります(平成12年9月28日 東京地裁 平成12(ワ)2415)。しかし、ロゴが著作物であるか否かは、最終的には裁判官の判断に拠りますし、われわれが裁判官と同様な判断をするのは非常に困難ですから、「図形商標は著作物である可能性が排除できないから、一律削除すべき」という方針は結果的に支持します。 --- 全中裏 2005年9月12日 (月) 13:33 (UTC)[返信]
最初に書いた文章について補足します。「商標の使用」とは、商標を、商標法2条3項各号に列挙された態様により使用することをいいます。これは商標法の規定です。しかし、形式的には商標法2条3項各号に列挙された態様により商標を使用しているように見えても、商標の機能である自他商品識別力を発揮しない態様であれば、それは「商標の使用」には当たらないと解釈されています(東京地裁判決 昭和51年9月29日、東京地裁判決 昭和51年10月20日等)。また、裁判例によっては「商標の使用」には当たるとしたうえで、商標権の侵害には該当しないとする理論構成もあります(東京地裁判決 昭和63年9月16日等)。そして、以上の裁判例を踏まえた上で、固有の企業や商品をウィキペディアで説明するために、当該企業や商品を表示する商標を掲載することは、「商標の使用」に該当しないし、あるいは商標権の侵害を構成しないというのは、私の意見です。上記の裁判例のほか、それを解説したものに以下の文献があります。
牧野利秋、飯村敏明「新 裁判実務体系4 知的財産関係訴訟法」(青林書院), p.397
田村善之「商標法概説 第二版」(弘文堂), p.151
「自他商品識別力を発揮する/しない態様」の例を書いてみます。「ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス」を紹介するために商標「LSE」(赤地に白い文字)を掲載しても、当該商標を見たウィキペディア利用者においては、LSEから商品やサービスを受けているという感覚はまったく起きないでしょう。ところが、商標「LSE」が、現在のウィキペディアの球状のロゴの位置に貼り付けられていたとすると、それを見た利用者は、「LSEがウィキペディアを提供しているのか」、あるいは「ウィキペディア財団とLSEに何らかの関係があるのか」、という疑いを持つでしょう。前者は、自他商品識別力を発揮しない利用態様、後者は発揮する態様といえます。 --- 全中裏 2005年9月12日 (月) 14:26 (UTC)[返信]

可能性があるのは否定できないというのでしたら、たとえば全中裏氏の発言中の「われわれが裁判官と同様な判断をするのは非常に困難ですから、」という内容は、ひょっとすると過去に存在した文書のコピーである可能性が皆無とはいえず、完全に安全であるという確証は得られないので、全中裏氏の発言はすべて削除すべきだ、という主張にも同意しなければなりません。私はそのようなあまりにも極端な主張には同意しません。困難であること、安全であることと、合法であることは違います。もしそこまでの安全性を求めるのでしたら、Wikipediaで発言しないことが一番の安全策でしょう。また、ウィキメディア財団には危険である可能性が完全に排除できないから排除するという方針はありません。財団理事長がそういうのでしたら別ですが、単なる1言語版に過ぎないWikipedia日本語版だけでそのような軽々しい方針を立てるべきではないと判断します。Modeha 2005年9月12日 (月) 14:07 (UTC)[返信]

ウィキメディア・コモンズでも主に商標を撮った写真や商標そのもののの図画は削除対象です。Tietew 2005年9月12日 (月) 14:11 (UTC)[返信]
>日本語版と英語版で対応が異なる理由がわかりません。できればご教授いただけますでしょうか。
英語版はフェアユースでも画像を投稿できます。日本語版にはフェアユースの概念がないため、対応が異なってきます。--Tamago915 2005年9月12日 (月) 14:18 (UTC)[返信]

念のため。少なくともコモンズでは、単に商標を含んでいるという理由で画像は排除されていません。以前も提示しましたがその画像はいまだに排除されずに残っているので再度提示します。この画像はフェアユースではなくPDです。ただ念のために書いておくと「主に」商標を撮った画像(看板そのもののアップ)などは判断が分かれているようです。少なくとも商標そのものはほとんどが削除されていることも付記しておきます。議論は商標そのものか商標を含む画像なのかで分ける必要はあるかもしれません。

ネバダ州ラスベガスにあるコカ・コーラワールド(PD)
3インチフロッピーディスク(GFDLライセンス)

念のため。GFDLだから違うという方がいらっしゃる可能性もあるので、GFDLライセンスのものもひとつ提示します。 したがって、GFDLだから商標を含む画像は提供できないという主張は、少なくともウィキメディアプロジェクト全体の合意ではないことは分かります。Modeha 2005年9月12日 (月) 14:44 (UTC)[返信]

Modeha様、画像を紹介いただき、ありがとうございます。画像には「Coca Cola」および「maxell」の商標が写りこんでいますが、いずれの画像も全景の一部に「商標を含む画像」に過ぎないという理由で、削除されずに残っていて、仮に、「Coca Cola」および「maxell」の商標部分だけが拡大された写真であったならば、削除されていたであろうという理解でよろしいですね。
ところで、商標というのは図形商標の他に、文字商標というものもあります。図形によらない、文字だけによる商標のことです。例えば、「ソニー株式会社」のような商号商標がその例です。このような文字商標は、ウィキペディアのいたるところに掲載されていますが、削除されたという話をききません。
以上、ウィキペディアに商標が掲載された際の対応をまとめると、
  1. 図形商標を一部に含む画像 → 削除されない
  2. 図形商標をクローズアップした画像 → 削除される
  3. 文字商標 → 削除されない
ということになります。そして「ウィキペディアでは、なぜこういう対応になるのだろうか?」という疑問が、私の最初の質問の出発点でした。
上述したように、裁判所でも採用されている「商標の使用」に関する通説によれば、(1)~(3)のいずれの態様によっても、商標権者や商品の紹介を目的として商標をウィキペディアに掲載することは商標権侵害となりません。
そうすると、上記(1)~(3)の対応がされる理由は、著作権法に求めるしかありません。そして、図形商標が著作物(著作権法2条1項1号)であるとするならば、上記(1)~(2)の対応はある程度説明がつきそうです(理由は省略します)。しかし、図形商標(ロゴ)が著作物と認められない場合は、著作権侵害の問題も起きません。前に紹介させていただいた東京地裁判決 平成12年9月28日によれば、デザイン化された企業名ロゴの著作物性が否定されています。当該判決の判旨によれば、「Coca Cola」(デザイン化された筆記体)のロゴも、「maxell」(デザイン化された文字)のロゴも、いずれも著作物性が否定されると考えます。そもそも、企業ロゴは芸術鑑賞の対象ではなく、専ら情報伝達を目的としているものですから、裁判所は著作物性の要件を厳しくみています。
商標権侵害でもない、著作権侵害でもないとなると、もはや削除される合理的理由は見出しがたいです。少々でもロゴに図形的要素があれば、著作物である可能性を否定せずに、紛争を未然に防ぐために削除しているとしか思えなかったのです。 --- 全中裏 2005年9月13日 (火) 12:58 (UTC)[返信]

Wikipediaでは画像は記事の内容を補足するために使用されるのみならず、フリーの単独の画像素材としても提供されるということになっているはずです。そのため記事内の使用が問題無いということだけではその是非はいえないはずです。 実際にWikipediaから提供された商標のみの画像を外部で使用するとしたら、商標法よりも不正競争防止法の方に抵触する可能性の方が高いと思います。不正競争防止法は指定商品・役務によらず出所の混同が生じさえすれば違法という立場をとっていますので。そのため商標のみの画像はその使用方法が相当制限されると思われます。 するとそれはWikipediaで提供する「フリーな」画像としてはふさわしくないということになり、それゆえに削除ということになると思います。逆に風景の一部に小さく写っているようなものは外部で使用したとしても出所の混同をきたすとは思われず、フリー画像として使用できると思われるため削除の必要はないと思います。銀猫 2005年9月14日 (水) 15:30 (UTC)[返信]

パブリックドメインは所有権の消滅では?[編集]

日本とアメリカとでは法律などの考え方違うのかもしれませんが、最近、ウィキペディアにアップロードされた歴史上の人物の画像見て思ったのですが、著作権切れ=パブリックドメインというのでは、不十分のように思います。というのも、所有権という問題が絡み、これもクリアーしないといけないと思うからです。そもそも、原義的にはpublic(公衆の)domain(所有)ですから、著作権の他所有権も必然的にパブリックなものでなくてはいけないのではないでしょうか。著作権法のページの[[1]]など見ても、わかる通り商用利用などの場合、所有権者に使用に対する対価を払わなくてはならないことが往々にしてあるようです。代表的なところは、日本近代文学館がリリースされている日本の近代文学者の写真なんかでしょう。HP見ればわかると思いますが、相応のロイヤリティが設定されて、所蔵写真がリリースされてます。ウィキのGFDLのライセンスも商用利用なども可にしているわけですから、この点見ても所有権の問題は殊更気をつけなくてはいけないのではないでしょうか。ご意見なんかあったら、聞かせていただければと思います。--ケンチン 2005年9月11日 (日) 09:44 (UTC)[返信]

「著作権」と「所有権」を混同していると思われます。例えば、ケンチン殿が絵画の原作品(著作権は消滅)を所有していたとします。絵画の「著作権」は消滅していたとしても、貴殿には、その絵画を自分の家に保管するとともに、人に見せたり、見せなかったり、写真を撮影させたり、撮影させなかったりする権利があります。さらに、見たり撮影しようとする者に対して対価を要求する権利もあります。これは、貴殿がその絵画の「所有権」を持っているからに他なりません。「商用利用などの場合、所有権者に使用に対する対価を払わなくてはならないことがある」というのはそういう意味です。一方で、貴殿の所有する絵画の複製物(写真等)が世の中に出回っていたとしても、貴殿にはそれを支配する権利はありません。著作権が消滅しているからです。以上のことから、「所有権の問題は殊更気をつけなくてはいけないのではないでしょうか」という問いに対しては、「著作権が消滅した絵画であれば、気にする必要はない」というのが答えです。 --- 全中裏 2005年9月11日 (日) 12:49 (UTC)[返信]
コメントありがとうこざいます。ただ全中裏さんのお話拝見しても、パブリックドメインではリリースできるようには思いません。原画の所有者が出版社や放送局などと契約した際「利用にあたり、パブリックドメインでリリースしてもよい(あるいはしなくてはならない)」という取り決めの元でリリースされていれば、お話のとおりだと思いますが、出版社であれ、原画保有者であれそのような取り決めの元、リリースされることはまず現実的にないでしょう。対価払って使用するということは、出版社なんかがその原画を使用する権利を委譲してくれということだと思います。従って、対価払って使用した時点で、所有に対する権利がその出版社にも移るということになると思います。(これは、所有権というよりか、行使できる権利かもしれません)コピー勝手に出回っても、対価払って(権利も)リリースしたわけですから、原画所有者である私はその権利をリリースしたわけですから、クレームはつけられませんが、今度は代わりにその権利を買った出版社がクレームをつけるということになってしまいます。権利買ったのは、出版社ですから、その出版物がパブリックドメインでリリースされない限り、その原画が載った本などを出版している会社に対する権利侵害になってしまうと思います。ただ、誤解されても困りますが私的利用の範囲内ならokということです。大學のレポート作成するなどで本からコピーして使うという分なら構わないと思います。ウィキペディアでの利用とは性質的に違うことはお分かりいただけると思います。
ちょうどNHKの教養番組みたいな番組と同じ仕組みだと思います。お寺に所蔵しているような著作権切れの絵画や写真を流す番組を作るとき、テレビで放映する際の対価なんか払っていると思いますが、映像の権利は番組を作った放送局のものですよね。その映像をウィキペディアでPDとしてリリースしたらまず即時に削除対象になってしまいます。それと同じだと思います。--ケンチン 2005年9月12日 (月) 10:36 (UTC)[返信]

該当リンクを見ましたが、著作権が切れた写真はパブリックドメインで自由に使えるという内容のページにしか見えませんが。日本近代文学館は保有している種版(原版)を貸し出すのに金を取っているようですが、それは貸出料であって著作権使用料とは違うでしょう。もちろん、切れたはずの著作権があたかも存在するかのように、または著作権以外の権利が存在するかのように装って金を請求する個人・団体がないとは限りませんが、それは権利が切れているかどうかとは別の話でしょう。(上記リンク先がそのような個人・団体であるという意味ではありません)原画所持者は、原画の写真を撮らせる権利やそれを拒否する権利は持っていますし、撮る場合に金を請求するのは所有者として当然の権利ですが、撮られた写真の利用について対価を請求する権利はありません。それはたとえば、どこかの寺の大仏の写真を撮るのに金が請求された(たとえば入場料のような形で)からといって、その大仏の写真について、大仏の所持者が何かの権利を持つわけではないのと同じです。著作権はもともと、いつかなくなる権利なので、もし何らかの作品の著作権を買う場合は、その著作権には期限があること、そして、買った時点ですでに消滅している可能性もあることを承知して買っているはずです。だから、たとえ出版社が著作権を買ったからといって、それによって著作権は延長されません。ただし、出版社によっては、画集の絵の並び順に編集著作権が存在すると主張するところはもちろんありますがそれは原画の著作権とは別です。ありもしない権利が存在するかのような主張は、容認できません。「写真を撮らせてもらうための対価」と「著作権」は、まったく別のものです。写真1枚撮るために寺の蔵をあけてもらって探してもらって、金も払わずに撮るだけ撮って帰るわけにはいかないでしょう。そのとき何らかの金銭の授受があったとしても、それは蔵をあけて宝物を探してすすを払ってもらうための対価として考えるべきで、それは著作権とは違います。Modeha 2005年9月12日 (月) 11:24 (UTC)[返信]

コメントどうも。ただ、今回の話は、所有権が問題なのであってModehaさんのいうような著作権は切れているという前提のもとで話しております。大仏なんかの写真は撮った撮影者に帰属されることは、著作権法にも記載していますし、ここはそういう話とはちょっと違います。アメリカだと著作権切れ=パブリックドメインですむかもしれませんが、日本だとどうもそのように単純にはいかないのではないかな?というお話です。[[パブリックドメイン]の項見ても、なんか日本では難しいなあと思います。--ケンチン 2005年9月12日 (月) 12:26 (UTC)[返信]
そういうことでしたら、所有権は複製されたものには及びません。複製物に所有権を持つのは、複製した人です。しかし複製のためにはオリジナルが必要ですから、そこで近代文学館のように利用条件をつけてオリジナルを貸し出す商売ができます。契約は守られなければなりませんから、この利用条件も守られなければなりません。しかしこれによって新たな権利が発生するわけではありません。所有権や著作権は万人に対して主張できる権利ですが、契約はその契約を結んだ当事者だけを拘束します。ですから、契約を結んでいない第三者は法にしたがって自由に複製することができます。(なお、著作者人格権は所有権とは関係ありません)Kinori 2005年9月12日 (月) 22:45 (UTC)[返信]
日本の著作権法上は、著作人格権の放棄が想定されておらず、誰がそもそも著作者であるか、ということを問わない、という意味での「パブリックドメイン」は存在しないとされています。これに近いものは、著作権の行使に伴う対価を(積極的には)要求しない、という意味での「(著作権)フリー」の著作物でしかありません。米国法では、著作人格権を放棄することが可能で、名実ともに(?)パブリックドメインの著作物が法律上存在し得ます。(というか、米国法の概念が広がっただけですが。)対価を受ける権利は消滅しますが、人格権は消滅しません。
それに加えて、一般の絵画の場合は、それをWebでの公開に適した形にする場合に新たな著作行為(写真を撮るとか、創意性の認められる編集をするとか)が伴うと解される場合が多いのではないでしょうか。だとすると対価性の問題は別としてもそのような行為をした人の意向に沿わない利用をすることには制限が伴うと考えられます。58.1.139.203 2005年9月12日 (月) 14:33 (UTC)[返信]
著作者人格権は人格権の一種ですから、著作者が死亡すれば当然に消滅します。相続もできません。著作者の死後においても、著作者が生きていたならば著作者人格権の侵害となるような行為(以下、侵害相当行為)は禁止されますが(著作権法60条)、著作者人格権はあくまでも消滅していますので、それを行使できる者は存在しません(一定の要件を満たす遺族は、侵害相当行為をした者に名誉回復措置請求はできます)。また、既に公表された絵画を原作品に忠実に写真撮影し、その画像を公表することは著作者人格権の侵害に該当しません。したがって、著作者人格権によっては「商用利用などの場合、所有権者に使用に対する対価を払わなくてはならないことが往々にしてある」という現象を説明できません。 --- 全中裏 2005年9月12日 (月) 15:22 (UTC)[返信]
こうした件に関しては明確な判例もあります。昭和58年(オ)第171号の解説(判決文へのリンクもあり)。従って、著作権の切れた美術品(少なくとも平面的なもの)を合法的に写真撮影したものは、その写真の所有者が(著作権のないものという扱いで)自由に使用できます。書籍に掲載された「著作権がない写真」を単独で複製することは、同様に問題が無いことだと考えられます(もちろん書籍そのものの複製は編集著作権を侵害します)。但しWikipediaでの実務上の問題として付け加えるならば、実際に書籍からスキャンする場合は、著作権保護機関が確実に消滅しているかどうか確認し、その旨を明記の上アップロードしてもらわないと削除依頼が出される可能性はあります。こうなると手間が掛かるので調査は確実に済ませて欲しいと思います。sphl 2005年9月13日 (火) 03:49 (UTC)[返信]
皆様、色々コメントありがとうございました。はじめは、人物(森鴎外や坂本竜馬、織田信長など)の肖像画や写真の話でおうかがいしていたのですが、なんか知らない間に絵画なんかの美術品の話になってしまいましたね・・・。(私の表現がマズかったかな)人物の場合も同じとしてよろしいということなのでしょうか?絵画なら、パブリクドメインで済むと思いますが、明らかに人物を写したと思われる写真でも事情は同じという事ですか。著作権の部分は被写体の人物でも、現在写真を所有している人物でも、権利買った出版社なんかでもなく、写真撮影したキャメラマンですから、これに対する対価は明らかに消滅しているでしょうが・・・他に色々権利が絡む(写真を有料でリースしているところ見ると、日本近代文学館はそうした部分の管理も遺族やらに委託されているのではと思います。)かなと思っていたのです。--ケンチン 2005年9月13日 (火) 08:44 (UTC)[返信]