ノート:ルバーブ

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学名について[編集]

Rheum rhaponticumRheum rhabarbarum のシノニムではありません。Flora of North America のRheum rhabarbarum Linnaeusに、'The name Rheum rhaponticum Linnaeus appears to have been misapplied widely to R. rhabarbarum in North America.'と書かれているように、単なる誤用です。

ちなみに、同ページによれば、Rheum rhaponticumダイオウ属で唯一のヨーロッパ固有種で、野生は稀だが広く栽培される植物だそうです。

本記事で、シノニムであるという記述の典拠資料の一つとして揚げられている、"A Bibliography of Rhubarb and Rheum Species" を見ると、INTRODUCTION p.iの8行目に"Species"として rhaponticumrhabarbarum が併記されており、この著者は二つの名前がシノニムではなく別種の名前と認識していることがわかります。おそらく、同ページ22行目に'edible rhubarb or "Pie Plant"(Rheum rhabarbarum,commonly called R.rhaponticum).'とあるので、この記述でシノニムと判断したのでしょうが、この種の本は、シノニムならシノニムとはっきり書きます。カッコ内の記述は「普通はR.rhaponticumと(誤称)される」と解釈すべきでしょう。

また、キュー植物園のデータベース"The Plant List"では、Rheum rhaponticumRheum rhabarbarumは完全に別物とされています。それぞれのシノニムリストを見ても、どちらかがどちらかのシノニムと扱われてはいないようです。Flora of China のRheum rhabarbarumでも Rheum rhaponticum はシノニムに含まれていません。

実を言うと私も、GA選考のコメントを見て 本記事にルバーブの形態について加筆するつもりで、「ルバーブ」の項目がある日本語の事典をいくつか当たった[1][2][3][4]のですが、ほとんどが、学名表記を R. rhaponticum としていたので頭を抱えました。これらの本が、 R. rhabarbarum についての説明をするつもりで学名の誤用しているのか、本当に R. rhabarbarum とは別種の R. rhaponticum についての解説をしているのか判断しがたいからです。

YLISTがどんな文献を典拠にして R. rhaponticumR. rhabarbarum のシノニムと判断しているのか不明ですが、YLISTはもともと日本の野生植物(帰化種も含む)を中心としたリストであり、典拠資料も日本の野生種に関する文献がほとんですから、(日本に原種や野生種がない)栽培種に関しては精度が落ちると考えておいたほうが良いと思います。

というわけで、少なくとも「シノニムとされる例が多い」という記載は不適切です。Flora of North America などを出典として「ルバーブ(Rheum rhabarbarum)の学名はRheum rhaponticum L.と表記されることも多いが、これは誤用である」くらいにしておいたほうが良いでしょう。

とにかく、日本語の「ルバーブ」およびそれらに対する和名の「カラダイオウ」「マルバダイオウ」「ショクヨウダイオウ」など、および英語の「rhubarb」は、同じ呼称を使っていても、文献によりそれぞれ指している物や範疇が異なっている可能性があるので注意が必要ですし、本記事においても混同しないように慎重に書き分ける必要があります。「名称と学名」節を設けてこれらの名称の違いについて解説しておく必要があると思います。

  1. ^ 『園芸植物大事典』 5巻、塚本 洋太郎(総監修)(1989年初版2刷)、小学館、1989年、612-613頁。ISBN 4093051054 
  2. ^ 堀田 満、緒方 健、新田 あや、星川 清親、柳 宗民、山崎 耕宇 編『世界有用植物事典』平凡社、1989年、898頁。ISBN 4-582-11505-5 
  3. ^ 柴田 桂太『増補改定 資源植物事典』(1990年7版)北隆館、1949年、860-861頁。 
  4. ^ "ルバーブ". 日本大百科全書. Vol. 24 (1990年初版4刷 ed.). 小学館. 1988. p. 282-283. ISBN 4095260246 {{cite encyclopedia}}: 名無し引数「和書」は無視されます。 (説明)

--Loasa会話2017年5月14日 (日) 10:23 (UTC)[返信]


ご指摘ありがとうございます。半端な理解で編集を行ったせいで、ご面倒をおかけしたようです。「名称と学名」節が必要だという点に賛成いたします。
私も日本語の園芸事典を何冊か調べてみました[1][2][3][4][5]が、そのほとんどがルバーブの学名として R. rhaponticum L. しか挙げていませんでした。唯一『園芸植物大事典』[5](Loasaさんの出典[1]と同じ)だけは、「ルバーブ」の項(p.612-613)で R. rhabarbarum L. としています。また、同書の「レウム属」の項(p.620-621)には、ルバーブの学名として「R. rhabarbarum L. (異) R. undulatum L., R. rhaponticum hort. non L.」とあります。学名の読み方には自信がないのですが、「R. undulatum L. は異名(=シノニム)。園芸家は R. rhaponticum という名を用いているが、リンネが命名した R. rhaponticum とは別種」という解釈でよろしいでしょうか。私が記事の出典に挙げたYListの方も、よく読むと R. rhaponticum L. ではなく Rheum rhaponticum auct. non L. をシノニムとしています。R. rhaponticum L. を別種と認めた上で、慣習的に名前が誤用されているということですね。
園芸事典の記述が R. rhabarbarum のことなのか、本来の R. rhaponticum を指すのかは、判別可能なケースもあると思います。たとえば、記事でも出典とした"Genetic Diversity of Rhubarb Cultivars"[6]は、調査対象とされた代表的な栽培品種をすべて R. rhabarbarum としています。またFlora of North Americaによれば、R. rhabarbarum は 2n=44の四倍体、R. rhaponticum は2n=22の二倍体だそうです。例として『野菜園芸大事典』[2]は学名を R. rhaponticum L. としていますが、本文では2n=44という記述があるので、R. rhabarbarum を指すと考えられます。
和名については、ほぼどの本でも「いわゆるルバーブ = マルバダイオウ = ショクヨウダイオウ」という扱いでした。もう一つの和名「カラダイオウ」は、『原色日本薬用植物図鑑』[1]『最新園芸大辞典』[3]にのみ、R. undulatum の和名として載っていました。しかし、この R. undulatum は『園芸植物大事典』[5]によれば R. rhabarbarum の異名です。教えていただいたキュー植物園のリスト[1]でも同様です。YListが「カラダイオウ」を標準としている理由はちょっとわかりませんが。ついでに言えば、記事本文ではR. Rhabarbarum L. とは別種として記述されている R. undulalum L. も、キュー植物園ではシノニムとされています。この部分も書きなおす必要があります。
さて、私としては以上のような理解のもとで編集を進めようと思っております。しかし、私は生物学について素人ですので、色々と手間取りますし、どんな間違いを犯すかわかりません。詳しい方が執筆して下さるなら、喜んでお任せしたいのですが…--Deer hunter会話2017年5月16日 (火) 13:13 (UTC)[返信]
学名を中心に追記・改稿を行いました。
植物データベースの多くは R. rhabarbarum L. を標準としていますが、最近の総説[7]では、
R. rhabarbarum auct. (Synonym) = R. rhaponticum auct. (Synonym) = R. × hybridum Murray」
としてありました。いわゆるルバーブはR. rhaponticum L. や R. rhabarbarum L. などの交雑種であって、厳密にはどちらとも別の種だという扱いだと思います。どちらが正しいという根拠もありませんので、英語版原文に沿って R. rhabarbarum を標準として、R. × hybridum についても併記する形にしました。--Deer hunter会話2017年5月19日 (金) 09:01 (UTC)[返信]
形態について加筆しました。参考にした資料はそれぞれ異なる学名を採用しているのですが(R. rhabarbarumR. rhaponticumR. x hybridum)、いずれも食用栽培種を一括して一つの学名で呼んでいます。記述の内容にも大きな齟齬はないと思います。そこで、単なる呼称の違いであって記事の対象は同じなのだと考え、すべての資料を同列に扱いました。誤りや不自然な表現があれば、修正していただけるとありがたく思います。--Deer hunter会話2017年5月20日 (土) 16:21 (UTC)[返信]
  1. ^ a b 木村康一、木村孟淳『原色日本薬用植物図鑑』保育社、1964年、12頁。 
  2. ^ a b 芹沢暢明 著「ルバーブ」、野菜園芸大事典編集委員会 編『野菜園芸大事典』養賢堂、1977年、1356-1360頁。 
  3. ^ a b 最新園芸大辞典編集委員会 編『最新園芸大辞典』 9巻、誠文堂新光社、1983年、344, 407-408頁。 
  4. ^ 堀田満 編『世界有用植物事典』平凡社、1989年、898-899頁。 
  5. ^ a b c 木島正夫 著「レウム〔属〕」、相賀徹夫 編『園芸植物大事典』 5巻、小学館、1989年、620-621頁。 
  6. ^ Joseph C. Kuhl; Veronica L. DeBoer (2008). “Genetic Diversity of Rhubarb Cultivars”. Journal of American Society for Horticultural Science 133 (4): 587-592. http://journal.ashspublications.org/content/133/4/587.full 2017年5月14日閲覧。. 
  7. ^ Danny L. Barney; Kim E. Hummer (2012). “Rhubarb: Botany, Horticulture, and Genetic Resources”. Horticultural Reviews 40 (1): 147-182. doi:10.1002/9781118351871.ch4. 、一部Google booksで読める

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