コミミイヌ

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コミミイヌ Atelocynus microtis Short-eared Dog は南アメリカブラジル北部のアマゾン川地域に住むイヌ科イヌ亜科コミミイヌ属の動物で耳が小さいのでコミミイヌとそのまんまの名がついている。亜種はいないためこの種だけでコミミイヌ属を作る。標高1000m以上の熱帯林とその周囲にしか住まず、数は少ないため生態はあまりわかっていない。夜行性であろうと言われ、体長は720~1000mm、体重は9-10kg、肩高は325~375mmでイヌ科としては中型であるが、耳介の長さは34~56mmとちいさい。多雨なアマゾンに住み体毛が非常に滑らかなため半水生生活を起こっているのではないか?と推察されているがよくはわかっていない。「アレンの法則」=局地に近いほど耳や尻尾などの末端部は小さい傾向があるがこの種は例外的存在と思われている。ただし尾は小さいわけではない。数は少なく絶滅の危機にあると考えられているが、まれで住んでいる地域が地域なので情報も少ないためよくわかっていない。イヌ科にしては猫のように忍び足で歩くが、多くのイヌ科動物が比較的開けた場所に住むのに比べ、コミミイヌは密林に住む習性から獲物にそっと近づく習性なのだろうと考えられている(開けた場所では早かれ遅かれ獲物に見つかるので駆け足勝負であるが、密林では獲物に忍び寄ることが肝心である)

参考文献 今泉忠明著、『野生イヌの百科』データハウス社刊行、1993年、130~131ページ。