不確かさ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

不確かさ(ふたしかさ、: Uncertainty)とは、計測値の信頼性を表すための尺度である。

これまで、計測の信頼性の表現として「誤差 (error)」「精度 (accuracy)」などという言葉が、「真値」の概念を前提として用いられてきた。しかし、絶対的な真値は実験的には不可知であり必ず測定値には誤差が伴う。したがって実験的には測定できない真値という概念を前提とした誤差解析による表現を、信頼性の表現として使ってしまっているという欠陥が付きまとう。なので、真値を前提とした「誤差解析」より、より客観性が高いと思われる「不確かさ解析」が求められるようになった。このため従来は真値からの標準偏差などとして定義していた測定値のばらつきを、不確かさ解析の定義の根幹におくようになった。したがって、不確かさ解析では「不確かさ (uncertainty)」の定義には「真値」および「誤差」を前提としていない。そのため不確かさ解析の計算方法を新たに定義し、計算方法は従来の誤差解析による標準偏差の計算方法と同様だが「真値」と「誤差」を引用しない方法で新たに計算方法を定義している。

このような用語の再定義が行われた背景としては、分野やによって、測定用語の意味するところや用いられ方が異なっていたため、国際度量衡委員会 (CIPM) の主導で計測値の信頼性の表現法や算出法の統一が行われることとなった。その結果、1993年国際標準化機構 (ISO) など7つの国際機関の共著による「計測における不確かさの表現ガイド」 (Guide to the Expression of Uncertainty in Measurement, 略称: GUM) が刊行され、この中で「不確かさ (uncertainty)」という言葉が用いられた。

GUMによる定義では、「不確かさ」を「測定の結果に附随した、合理的に測定量に結び付けられ得る値のばらつきを特徴づけるパラメータ」と定義している。すなわち、「誤差」が「真の値」からの測定値ずれを示すものであるのに対し、「真値の標準偏差」は、測定値からどの程度のばらつきの範囲内に「真の値」があるかを示すものである。不確かさ解析での「不確かさ」の計算は、誤差解析でのこの「真値の標準偏差」に相当する。そもそも「誤差」を定量的に表現するのは不可能であるので(「真の値」を測定しようとすれば必ず誤差が生じるため)、確率的に表現することで定量化しようとしたのが「不確かさ」である。

不確かさは、様々な不確かさの成分を、観測値の統計解析による評価つまり標準偏差の計算(Aタイプ評価)、もしくはデータ以外の様々な情報による、標準偏差に相当する大きさの推定(Bタイプ評価)のどちらかで計算し、それらを合成することで求めるとしている。「様々な不確かさの成分」には、計測者が知り得る限りのあらゆる成分を入れる必要がある。不確かさの質は、計測者の計測対象に関する知識や、計測に対する誠実さに左右されることになる。

目次

種類 [編集]

不確かさには、以下のようなものがある。

標準不確かさ (standard uncertainty)
不確かさを標準偏差の幅として表したもの。小文字のu を用いて表す習慣になっている。
合成標準不確かさ (combined standard uncertainty)
複数の不確かさの成分がある場合、これら(標準不確かさ)を二乗和として合算したものを平方根にて平均したもの。(2乗和平均)
拡張不確かさ (expanded uncertainty)
測定の結果について、合理的に測定量に結び付け得る値の分布の大部分を含むと期待される区間を定める量。
つまり、測定結果の大部分(例えば95%)が含まれると期待される区間。
VIM3 用語2.35では「合成測定標準不確かさと1 より大きい係数との積。」と定義。
実用的には、標準不確かさ(あるいは合成標準不確かさ)の値を元にして、ユーザーが使いやすいように、派生的に算出した換算値。具体的には、標準不確かさ(あるいは合成標準不確かさ)に、(統計数学の検定の理論で使われる)包含係数を掛けた換算値がよく用いられる。包含係数 k を k=2とした場合が、約95%の信頼区間に相当する。拡張不確かさは大文字 U で表す習慣になっている。

標準不確かさの表記 [編集]

例えば、アボガドロ定数の2010CODATA推奨値は、

NA = 6.022 141 29 × 1023 mol−1

であり、その標準不確かさは、

0.000 000 27 × 1023 mol−1 である[1]

これを、

6.022 141 29 ± 0.000 000 27× 1023 mol−1

又は

6.022 141 29(27) × 1023 mol−1

と簡略化して表記する(Concise form)。括弧内の2桁の数値が標準不確かさを示す。

脚注 [編集]

  1. ^ [1] アボガドロ定数の2010年CODATA推奨値

参考文献 [編集]

この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています
  • 今井秀孝、『計測の信頼性評価』、日本規格協会、2006年7刷。ISBN 4-542-30133-8
  • 『産総研dex』、独立行政法人産業技術総合研究所 広報部、2009年 発行。(非売品)

関連項目 [編集]

外部リンク [編集]

  • 不確かさWeb - NMIJ 、独立行政法人 産業技術総合研究所 計量標準総合センター 応用統計研究室 
http://www.nmij.jp/~mprop-stats/stats-partcl/uncertainty/uncertainty.php
この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています