セレーネー

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セレーネー、ヘスペロス、ポースポロス(パリルーヴル美術館
夢の中のエンデュミオーン (エドワード・ポインター/作, 1902)

セレーネー古希: Σελήνη, Selēnē)は、ギリシア神話女神である。長母音を省略してセレネセレーネとも表記される。ローマ神話ルーナと同一視される。

概要[編集]

ヘーシオドスの『神統記』によると、ヒュペリーオーンテイアーの娘でエーオースヘーリオスの姉妹。なお、ゼウスとセレーネーとの間に娘のパンデイアらがいる。また、兄であるヘーリオスとの子供に四季の女神ホーラがいるともいわれる。

輝く黄金の冠を戴き、額に月をつけた絶世の美女で、銀の馬車に乗って夜空を馳せ行き、柔らかな月光の矢を放つ。後にアルテミスヘカテーと同一視され、月が形を変えるように三つの顔を持つとも考えられるようになった[1]月経と月との関連から動植物の性生活・繁殖に影響力を持つとされた。また、常に魔法と関係付けられた[2]。聖獣は驢馬、白い牡牛

恋物語[編集]

セレーネーの神話で一番有名なのは、美青年であるエンデュミオーンとの物語である。セレーネーは彼を愛し、ゼウスに願って彼に不老不死の永遠の眠りを与えたと言われる。セレーネーは夢の中のエンデュミオーンと交わりを重ねて50人の娘・暦月の女神メーネたちを生んだ。

他には、牧神パーンもセレーネーの美貌に魅了され、恋い焦がれたことがあり、純白の羊毛皮を贈ってセレーネーを誘った。

出典[編集]

  1. ^ 松村一男/監修 『知っておきたい 世界と日本の神々』43頁。
  2. ^ 高津春繁 『ギリシア・ローマ神話辞典』 岩波書店、143頁。