メチルヘプテノン

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メチルヘプテノン
Methylheptenone[1]
識別情報
CAS登録番号 110-93-0
特性
化学式 C8H14O
モル質量 126.2 g mol−1
外観 無色ないし薄い黄色の液体
匂い フルーティ、グリーン香[2]
沸点

173℃

危険性
引火点 50℃
半数致死量 LD50 2400mg/kg(マウス、経口)
関連する物質
関連する異性体 フィルベルトン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

メチルヘプテノン(6-メチル-5-ヘプテン-2-オン、: Methylheptenone)は脂肪族ケトンの一種である。C8H14Oの化学式を持つ、フィルベルトンFilbertone、5-メチル-2-ヘプテン-4-オン)などの異性体がある。消防法による第4類危険物 第2石油類に該当する[1]

製造[編集]

天然には、1890年代に多くの植物の精油中から発見された[3]レモングラスの精油に2%ほど、その他カモミールレモンバームなど多くの精油にもわずかずつ含まれる[2]。工業的にはアセトンアセチレンエチニル化反応により3-メチル-1-ブチン-3-オールをつくり、これを半還元することによりメチルヘプテノンが得られる[4]

用途[編集]

リナロールシトラールゲラニオールラバンジュロールをはじめとするモノテルペンの合成原料として重要である。などの害虫に対しては忌避効果がある[2]

脚注[編集]

  1. ^ a b 製品情報東京化成工業
  2. ^ a b c 長島司『ビジュアルガイド 精油の化学』フレグランスジャーナル社、2012年12月15日、45頁。ISBN 978-4-89479-227-2 
  3. ^ 斎藤鐘次郎, 立花輝一, 大道弘昭、「メチルヘプテノンの新合成に関する研究」 『有機合成化学協会誌』 1962年 20巻 2号 p.150-157, doi:10.5059/yukigoseikyokaishi.20.150
  4. ^ 香りの化学2(chem-station)