アンデキサネット アルファ

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アンデキサネット アルファ
臨床データ
法的規制
  • Investigational
投与経路 Intravenous injection
識別
ATCコード none
KEGG D11029
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アンデキサネット アルファ(Andexanet alfa、開発コードPRT064445またはPRT4445)は、抗凝固薬である第Xa因子阻害剤(リバーロキサバンアピキサバンエドキサバン等)を解毒するために開発されている治験薬である[1]

作用機序[編集]

アンデキサネット アルファは生物医薬品であり、ヒトの第Xa因子を基に分子設計されている。第Xa因子阻害剤との親和性が第Xa因子より高く、第Xa因子阻害剤に競合して優先的に結合する[1][2]。また第Xa因子としての活性を持たないように設計されており、機能は第Xa因子阻害剤の捕捉に特化している[3]。アンデキサネット アルファは第IIa因子阻害剤(ダビガトラン)には有効でないと思われる[4]。ヒトへの抗原性は、2015年2月現在知られていない。

臨床試験[編集]

ラットを用いた実験では、アンデキサネット アルファはエノキサパリンフォンダパリヌクスによる抗凝固効果を打ち消して失血量を減少させることが確かめられた[1][2]。小規模な第I相臨床試験でヒトでの安全性と忍容性が確認され[1]、続いて第II相臨床試験が実施された[5]。第II相臨床試験では27人の健康なボランティアにアピキサバンを投与し、その後4群に無作為化して生理食塩水またはアンデキサネット アルファを90mg、210mg、420mg投与した。420mg投与群ではアピキサバンの効果を2分間で95%打ち消す事ができた[6]

2015年2月現在、アピキサバンに対する解毒作用を検証するANNEXA-A試験とリバーロキサバンに対する解毒作用を検証するANNEXA-R試験の2本の第III相臨床試験が実施されている[7]

出典[編集]

  1. ^ a b c d Dolgin E (March 2013). “Antidotes edge closer to reversing effects of new blood thinners”. Nature Medicine 19 (3): 251. doi:10.1038/nm0313-251. PMID 23467222. 
  2. ^ a b Lu G, Deguzman FR, Hollenbach SJ, et al. (March 2013). “A specific antidote for reversal of anticoagulation by direct and indirect inhibitors of coagulation factor Xa”. Nature Medicine 19 (4): 446–51. doi:10.1038/nm.3102. PMID 23455714. 
  3. ^ 血液凝固Xa因子阻害剤に待望の解毒剤”. 日経メディカル (2013年5月1日). 2015年2月22日閲覧。
  4. ^ H. Spreitzer (23 December 2013). “Neue Wirkstoffe – Andexanet Alfa” (German). Österreichische Apothekerzeitung (26/2013): 40. 
  5. ^ 臨床試験番号 NCT01758432 研究名 "Phase 2 Healthy Volunteer Study to Evaluate the Ability of PRT064445 to Reverse the Effects of Several Blood Thinner Drugs on Laboratory Tests" - ClinicalTrials.gov
  6. ^ Portola Announces Positive Phase 2 Study Results Showing Factor Xa Inhibitor Antidote PRT4445 Reverses Anticoagulant Activity of Eliquis(R)”. Portola Pharmaceuticals (2013年7月2日). 2015年2月22日閲覧。
  7. ^ Andexanet alfa: FXa Inhibitor Antidote”. 2015年2月22日閲覧。