Voice Call Continuity

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

Voice Call Continuity(VCC)は、3G(第3世代携帯電話)とIPネットワークの間で音声通話をシームレスにハンドオーバーする技術である。 VCC を用いることにより、屋外では携帯電話網を利用し、屋内では無線LANを利用した通話が可能となり、移動中も音声が途切れることなく自動的にハンドオーバーが可能となる。

技術[編集]

VCC は 3GPP で策定された技術であり、Fixed Mobile Convergence(FMC) を実現する技術の1つと捉えられる。

3G携帯電話の音声通話は回線交換であるが、IPネットワークでの音声通話はパケット交換をもちいたVoIPであるため、音声通話をハンドオーバーするには特別な仕組みが必要となる。 VCC ではこれを実現するために、回線交換呼をメディアゲートウェイを用いてSIP呼に変換し、IMS(IP Multimedia Subsystem)網に引き込む。IMS網内に VCC Application Server(VCC AS) と呼ばれる装置を置き、この装置がSIP呼のハンドオーバーを処理することで、3G/IPネットワーク間のハンドオーバーを実現する。

I-WLAN[編集]

VCC のサービスを受けるためには、VCCに対応した端末が必要である。VCC端末は、3G網無線アクセスの他に無線LANなどのIPアクセス機能を備えた、いわゆるデュアルモード端末である必要がある。

無線LANを使ってIMSにアクセスするための技術として、3GPPにより標準化された I-WLAN (Interworking WLAN) 技術がある。I-WLAN では、 端末はIMS網のエッジに配置された PDG (Packet Data Gateway) と呼ばれる装置に対して IPsecトンネルを張り、このトンネルを通してIMSにアクセスできる。

主なサービス[編集]

日本の状況[編集]

日本国内では、現時点ではまだ VCC に対応したサービスは実施されていない。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]