渕上玲子

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渕上 玲子(ふちがみ れいこ、1954年8月 - )は、日本弁護士女性初の日本弁護士連合会会長。女性初の東京弁護士会会長や、総務省電気通信事業紛争処理委員会委員長代理等も務めた。

人物・経歴[編集]

長崎県西海市大島で、島の基幹産業だった鉱山三井松島産業大島鉱業所の閉山が近づいてきた15歳の秋まで育ち、親の転勤に伴い[1][2][3][4]千葉県の高等学校を経て[5]、1977年一橋大学法学部卒業。民事訴訟法竹下守夫ゼミ出身[6]。2004年災害復興まちづくり支援機構を共同設立し代表に就任[7]

東京都不動産鑑定士協会監事[7]総務省電気通信事業紛争処理委員会委員等を歴任し[8]、2010年総務省電気通信事業紛争処理委員会委員長代理[9]。2017年から女性初の東京弁護士会会長及び日本弁護士連合会副会長を務め、一時保育サービスの実現などにあたった[10]。また、アディーレ法律事務所に対し「極めて悪質な行為で長期間にわたって反復継続されている」との声明を出し、業務停止2カ月の処分を下した[11]

2018年には障害者雇用水増し問題検証委員会で松井巌委員長の下で委員に就任し原因究明にあたった[12]。同年法務省検察官・公証人特別任用等審査会委員[13]東京都都市復興基本計画検討委員会委員[14]。2020年日本弁護士連合会事務総長[15]。2022年日本弁護士政治連盟副理事長[16]日弁連法務研究財団顧問[17]

2024年2月9日、日本弁護士連合会は次期会長選挙を行い、11,110票を獲得し対立候補の及川智志の3,905票を大幅に上回り次期会長に選出された。女性の会長は初めてで、裁判所、検察庁を含む法曹でも組織トップに女性が就くのは初めて。20日の選挙管理委員会を経て正式に決まる。最終投票率は33.23%。全国の弁護士会でみると45の弁護士会で最多得票を得た[18]。趣味は太極拳や、イギリス推理ドラマ鑑賞[3]

脚注[編集]

  1. ^ 不条理と向き合い、権利守り40年…「多様な意見 伝える役割」 女性初の日弁連会長・渕上玲子さん長崎新聞2024/05/03
  2. ^ 法曹三者初の女性トップ・渕上氏「これまでの景色を変えなければ」多様性の実現へ決意弁護士ドットコム2024年02月09日 21時52分
  3. ^ a b 「希望持てる未来に」 日弁連次期会長の渕上氏―コロナ契機に立候補時事通信2024年02月10日07時09分
  4. ^ 日弁連新会長に渕上玲子氏を選出 初の女性、長崎・西海市出身長崎新聞2024/2/10 6:00
  5. ^ 第1回 渕上玲子さん(LESSON1)一般財団法人あんしん財団
  6. ^ 「渕上玲子」東京弁護士会
  7. ^ a b TOKYO R公益社団法人東京都不動産鑑定士協会
  8. ^ 平成22年度年次報告総務省
  9. ^ 電気通信事業紛争処理委員会(第111回)議事概要総務省
  10. ^ [1]
  11. ^ アディーレ法律事務所、業務停止2カ月 虚偽宣伝で 2017/10/11 18:45日本経済新聞
  12. ^ 【障害者雇用水増し】原因究明へ検証委が初会合2018.9.11 07:43産経新聞
  13. ^ 人事、法務省 2018/1/1 5:00法務省
  14. ^ 東京都都市復興基本計画検討委員会 委員
  15. ^ 「日弁連の機構・財政」日本弁護士連合会
  16. ^ 役員紹介役員名簿自 2021年5月17日 至 2023年5月日本弁護士政治連盟
  17. ^ 役員等名簿2022年7月1日現在日弁連法務研究財団役員等名簿
  18. ^ 日弁連の新会長に初の女性 渕上玲子氏、公約に「夫婦別姓の実現」:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2024年2月9日). 2024年2月9日閲覧。
先代
坂庭好一
総務省電気通信事業紛争処理委員会委員長代理
2010年 - 2013年
次代
荒川薫
先代
小林元治
東京弁護士会会長
2017年 - 2018年
次代
安井規雄
先代
菰田優
日本弁護士連合会事務総長
2020年 - 2022年
次代
谷眞人