成田空港交通

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成田空港交通株式会社
Narita Airport Transport Co.,Ltd.
本社
本社
種類 株式会社
略称 成空
本社所在地 日本の旗 日本
286-0121
千葉県成田市駒井野山の台1368-22
設立 1972年4月20日[1]
業種 陸運業
法人番号 8010601013961 ウィキデータを編集
事業内容 一般乗合旅客自動車運送事業、一般貸切旅客自動車運送事業、広告代理業、労働者派遣業、自動車運転代行及び自動車管理請負業務
代表者 代表取締役社長 田口 健
資本金 6000万円[2]
純利益 8604万6000円
(2023年3月期)[3]
総資産 11億2308万4000円
(2023年3月期)[3]
従業員数 103人 (2024年3月31日現在)
決算期 3月
主要株主 京成電鉄株式会社(66.6%)
京成バス株式会社(16.7%) グリーンポートエージェンシー株式会社(16.7%)
外部リンク http://www.nariku.co.jp/
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成田空港交通株式会社(なりたくうこうこうつう)は、千葉県成田市に所在するバス事業者。京成電鉄の子会社であり、京成グループ の企業である。

成田国際空港を発着する空港連絡バスおよび空港ターミナル間連絡バスのほか、高速バス、一般路線バスを運行する。京成バスからの移管路線、京成バスおよび京成グループのバス会社各社との共同運行路線も多い。

現行路線[編集]

ターミナル間連絡バス[編集]

成田空港第2ターミナルを出発する514号車

成田空港第1ターミナル・第2ターミナル・第3ターミナルと、京成東成田線芝山鉄道東成田駅を結ぶ。貸切扱いで運賃は無料。

空港連絡バス[編集]

成田空港に向かう321号車(稲毛海岸駅にて撮影)

成田空港発着の空港連絡バス(高速バス)を運行している。

長距離バス[編集]

仙台線[編集]

松島仙台線・仙台線ともに、原則としてトイレ付き3列独立シート車両で運行。予約・発券は京成バス高速バス予約センターで行い、成田空港交通は運行業務のみ行っている[4]

松島仙台線[編集]
夜行便運行当時の松島仙台線(松島海岸駅にて)

千葉県成田市船橋市東京都中央区宮城県仙台市宮城郡松島町を結ぶ昼行高速バス。宮城交通と共同運行。便名はザ・サンライナー(従来運行していた夜行便「ポーラスター号」は運休中)。

主な運行経路
成田空港 - 西船橋駅 - バスターミナル東京八重洲 - 仙台駅前(宮交仙台高速バスセンター) - 松島海岸駅
路線沿革
  • 1989年(平成元年)3月23日:京成電鉄・宮城交通の2社により、成田空港 - 仙台駅前間で夜行高速バス「ポーラスター号」運行開始[5][6]当時のパンフレット
  • 1991年(平成3年)3月19日:西船橋駅・松戸駅での乗降取り扱いを開始[7]。 成田空港 - 西船橋駅 - 松戸駅 - 仙台駅前 となる[7]。京成電鉄成田空港駅(のちの東成田駅)への停車取りやめ[7]
  • 1993年(平成5年)頃:成田空港から東京ディズニーランド(TDL)まで延長。
  • 1994年(平成6年)3月15日:仙台側を国道45号線経由で石巻まで延長[8]本塩釜駅前・松島案内所(五大堂前)・石巻駅前・石巻営業所の順に停車。
  • 1999年(平成11年)5月:千葉側の運行担当を成田空港交通に移管。京成は予約等の運行支援業務のみの担当となる。
  • 2001年(平成13年)9月4日東京ディズニーシー(TDS)開園に伴いTDS停留所を追加。
  • 2004年(平成16年)4月17日:仙台 - 石巻間廃止により、仙台発着に戻る。
  • 2005年(平成17年)3月28日:松戸駅停車を廃止。柏駅・海浜幕張駅停車を開始。経路も成田空港 - 海浜幕張駅 - TDL/TDS - 西船橋駅 - 柏駅 - 仙台駅前に変更。
  • 2006年(平成18年)6月30日:海浜幕張駅・東京ディズニーランド・東京ディズニーシー経由を廃止し、千葉駅(東口)経由に変更、現行の運行経路となる。
  • 2010年(平成22年)7月1日:仙台駅東口バスターミナルに延長乗り入れ。
  • 2013年(平成25年)2月1日:宮城交通便が休止、成田空港交通の単独運行となる。
  • 2014年(平成26年)4月1日:運賃改定[9]
  • 2018年(平成30年)
    • 3月16日:この日の出発便より松島海岸駅まで延伸。JR千葉駅、仙台駅東口停車を廃止。運賃を一部改定[10]
    • 9月1日:この日の出発便より、成田空港発の便に限り西船橋駅での降車が可能になる。
  • 2023年令和5年)
    • 7月14日:昼行高速バス「ザ・サンライナー」の運行を開始[11]
使用車両
利用状況
年度 運行日数 運行便数 年間輸送人員 1日平均人員 1便平均人員
2002(平成14)年度 365 748 13,714 37.6 18.3
2003(平成15)年度 365 738 12,656 34.7 17.1
2004(平成16)年度 365 732 12,816 35.1 17.5
2005(平成17)年度 365 730 10,499 28.8 14.4
2006(平成18)年度 365 732 10,663 29.2 14.6
2007(平成19)年度 366 732 10,256 28.0 14.0
仙台線[編集]
東京駅に到着した仙台線
運行経路
成田空港 - 東京ディズニーランド - 東京駅 - 仙台駅東口(ジェイアールバス東北と共同運行)
路線沿革
  • 2019年(平成31年)4月16日:運行開始[12]
  • 2020年(令和2年)12月11日:東京駅経由となり、ドリーム仙台・東京成田号という愛称が設定される。

和歌山線[編集]

千葉県千葉市和歌山県和歌山市を結ぶ夜行高速バス。和歌山バスと共同運行で、便名はサウスウェーブ号。仙台線と同様に、元々京成バスの運行していたものが移管され(2009年4月16日)、予約・発券は京成バスで行い、成田空港交通は運行業務のみ行っている。路線の変遷等についてはサウスウェーブ号の項参照のこと。

主な運行経路
海浜幕張駅 - 西船橋駅 - 東京ディズニーシー - 東京ディズニーランド - 京成上野駅 - 横浜駅 (YCAT) - 堺東駅前 - 堺駅前 - 泉ヶ丘駅 - JR和歌山駅 - 南海和歌山市駅

長野線[編集]

長野線(松本バスターミナルにて2018年撮影)

千葉県成田市と長野県長野市を結ぶ夜行高速バス。アルピコ交通長野支社)と共同運行。他の夜行高速バスと同様、予約・発券は京成バスが行い、成田空港交通は運行業務のみ行う。

主な運行経路
成田空港 - 西船橋駅 - 東京ディズニーランド - 東京ディズニーシー - 京成上野駅 - バスターミナル東京八重洲 - 中央道茅野- 長野道みどり湖 - 長野道広丘野村 - 長野道神林 - 松本インター前 - 松本駅松本バスターミナル[13] - 長野道安曇野 - 長野インター前 - 長野バスターミナル - 長野駅
路線沿革
  • 2012年(平成24年)2月1日:運行開始[14]
  • 2013年(平成25年)12月2日:成田空港発着となり、千葉中央駅、海浜幕張駅は経由しなくなった[15]
  • 2019年(令和元年)11月1日:千葉側は上野・浅草・西船橋経由成田空港発着便と東京ディズニーリゾート発着便に2系統分離して両社共に毎日運行、往路便を成田空港発着、復路便をディズニーリゾート発着とするように改められた。これにより成田空港交通便は成田空港発長野行き~長野発ディズニーリゾート行き、アルピコ便は長野発成田空港行き~ディズニーリゾート発長野行きという運行パターンとなった[16]
  • 2021年(令和3年)12月24日:2系統を統合し西船橋・ディズニーリゾート・上野・浅草経由の成田空港発着便の1日1往復で運行を再開、両社が隔日交互運行という以前の形となった。
  • 2022年(令和4年)9月26日:浅草雷門での乗降扱いを休止し、新たにバスターミナル東京八重洲での乗降扱いを開始した[17]

一般路線バス[編集]

2020年3月16日より、PASMOほか交通系ICカード全国相互利用サービスの取り扱いを開始。ただし、バス利用特典サービスは実施しない。なお、同年4月1日開設の国際医療福祉大学成田病院線においては、ICカード利用時に割引運賃が適用となる。

成田空港周遊系統(さくらの山線、そらまる線、南部博物館線)の日中時間帯に利用可能なデイタイムフリー乗車券「そらまるきっぷ」も発売している。

  • 南部博物館線
    • 成田空港第2旅客ターミナル - 臨空ビル前 - 南部貨物地区 - 博物館入口 - 南部工業団地
    • 成田空港第2旅客ターミナル → 臨空ビル前 → 南部貨物地区 → 博物館入口 → 南部工業団地 → 森の病院前 → 三里塚 → 南部貨物地区 → 臨空ビル前 → 成田空港第2旅客ターミナル ※平日朝運転
    • 成田空港第2旅客ターミナル → 臨空ビル前 → 南部貨物地区 → 博物館北 → 航空科学博物館 → 森の病院前 → 三里塚 → 南部貨物地区 → 臨空ビル前 → 成田空港第2旅客ターミナル ※平日日中運転
    • 成田空港第2旅客ターミナル - 臨空ビル前 - 南部貨物地区 - 博物館北 - 航空科学博物館 - 南部工業団地 - サテライト成田 ※土休日運転
  • さくらの山線
    • 成田空港第2旅客ターミナル - さくらの山(直通)
    • さくらの山 → 住宅入口 → 博物館入口 → にしてつ → 南部工業団地 → サテライト成田 ※土休日の夕方1本のみ
  • そらまる線
  • 国際医療福祉大学成田病院線

深夜急行バス[編集]

廃止路線[編集]

一般路線バス[編集]

  • 阪急線
    • 成田空港第2旅客ターミナル - 登戸台 - 阪急カーゴ
      • 2010年8月31日限りで廃止された[18]
  • 成田空港駅・空港ターミナル連絡バス
    • 成田空港駅(現:東成田駅) - 成田空港旅客ターミナル
      • 1978年(昭和53年)5月の成田空港開港・京成電鉄成田空港駅開業に伴い、京成電鉄経由の空港利用客の輸送のため運行を開始した。
      • 運行開始から3年後の1981年(昭和56年)当時は、側面に大型方向幕を装備した長尺3扉の専用車を使用して運行され、所要時間6分・運賃130円であった[19]。京成電鉄のスカイライナーとの接続利用を主眼に、バスはスカイライナーと同一の塗色を施していた[19]
      • 成田空港駅が空港ターミナルから離れた場所に設置されたことから、連絡輸送のために開設された路線であった[19] が、乗換えの不便さから京成電鉄の利用客が伸びず、開業以来利用の低迷が続いた。1980年代後期頃からリムジンバス等が道路混雑の影響を受けるようになり、京成電鉄の利用が見直されるようになるとこの路線の利用者も増加が見られるようになった。
      • 1991年3月の空港ターミナルビル地下への京成電鉄線・JR線乗入れ後は、空港利用客の多くが新線に移行し、この路線の運行本数は約1/3に減便となった[20]。その後は空港第1・第2旅客ターミナルの整備に伴い、貸切形態の無料ターミナル間連絡バス(上記)に機能を移行して廃止となった。
  • サークルバス

高速バス[編集]

  • 成田空港 - 誉田駅・鎌取駅・鎌取インター(千葉中央バスと共同運行)
    • 2012年12月13日:運行開始。
    • 2014年3月31日:運行休止。
  • 成田空港・東京ディズニーリゾート(TDR) - 金沢線(北陸鉄道と共同運行)
    • 仙台線とほぼ同時期に京成バスから移管されたが、こちらは移管後1年ほどで廃止された。

特定輸送[編集]

ボートピア習志野送迎バス

習志野市周辺の工場従業員の契約輸送を行っていた。また2011年10月1日より、京成バス船橋営業所より津田沼駅京成津田沼駅からボートピア習志野(場外舟券売場)来場者の送迎バスが移管され、2015年4月3日にちばシティバスに移管されるまで運行された。また同時に習志野市内の工場の契約輸送も京成バスに移管し、習志野市内からは撤退した。

ボートピア習志野の送迎バスには、日野・ブルーリボンシティハイブリッドが使用されていた。

車両[編集]

かつては三菱ふそうトラック・バス製の車両が中心で、空港内循環バスには三菱ふそう・エアロスターCNGノンステップバスや、関東地区では数少ないエアロスターの3扉ノンステップ車が導入されていた。

2008年からは、日野自動車製のブルーリボンシティハイブリッドやセレガが導入されているほか、並行して京成グループから転入した車両もあり、2023年現在はブルーリボンⅡなどの日野自動車が中心となっている。いすゞ自動車製の車両も少数存在している。

以前の空港内循環バスには、ネオプラン製のサンライナーも使用されており、ランプバス向けに設計された横置きエンジンFF車で、後輪もシングルタイヤである。また、新習志野地区での契約輸送には、京成バス・千葉内陸バス日野・ブルーリボン東京ベイシティ交通いすゞ・キュービックを、塗装はそのままで社名のみ変更して使用していた。

開業当初の成田空港駅・空港ターミナル連絡バスの塗装は、スカイライナーAE形電車登場時の塗装に準じたクリームとマルーンの塗り分けだった。その後スカイライナーの塗色変更に合わせてアイボリーベースに赤と青のストライプに変更された。

脚注[編集]

  1. ^ 京成電鉄株式会社経営統括部 編『京成電鉄100年の歩み:1909-2009』京成電鉄、2009年12月、231頁。 
  2. ^ 『帝国データバンク会社年鑑 東日本 Ⅱ (東北・関東・甲信越) 2024』(104版)帝国データバンク、2023年10月、3652頁。 
  3. ^ a b 成田空港交通株式会社 第51期決算公告
  4. ^ 夜行高速バス仙台線のご案内 成田空港交通公式サイト、2019年7月13日閲覧。
  5. ^ 「23日から高速バス運行 成田空港-仙台駅前 京成電鉄と宮城交通」『交通新聞』交通新聞社、1989年3月3日、1面。
  6. ^ “ 京成電鉄、きょうから成田-仙台に高速バス運行” 日刊工業新聞 (日刊工業新聞社): p24. (1989年3月23日)
  7. ^ a b c “西船橋、松戸にも停車駅 成田空港-仙台間の高速バス” 朝日新聞 (朝日新聞社): 千葉面 (1991年2月20日 朝刊)
  8. ^ “高速バス仙台-成田空港線 石巻まで区間延長 来月15日から運行” 河北新報 (河北新報社): (1994年2月20日 朝刊)
  9. ^ 【宮城交通】 高速バス 主な区間の運賃表(2014年4月1日改正) (PDF)
  10. ^ 【成田線】平成30年3月16日停留所新設とダイヤ改正と運賃改定のお知らせ”. 宮城交通 (2018年3月12日). 2018年3月21日閲覧。
  11. ^ 高速バス「ザ・サンライナー」新設 ~松島・仙台~東京・成田空港を昼行便として運行いたします~。』(PDF)(プレスリリース)成田空港交通、宮城交通、2023年7月6日http://nariku.co.jp/data/news/136/20230706160455.pdf2023年7月22日閲覧 
  12. ^ 【高速バス・新規路線】2019年4月16日より「東京ディズニーランド(R)」・成田空港線の運行を開始します”. ジェイアールバス東北 (2019年3月12日). 2019年3月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月27日閲覧。
  13. ^ 松本駅・松本バスターミナル のりばご案内 アルピコグループの時刻表ポータルサイト アクセス信州
  14. ^ 【成田空港交通】夜行高速バス「千葉・長野線」運行開始 (PDF)
  15. ^ 【成田空港交通】平成25年12月2日(月)より夜行高速バス「成田空港・長野線」運行開始 (PDF)
  16. ^ 「長野~千葉線」のダイヤ改正について”. アルピコ交通 (2019年9月30日). 2020年10月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月17日閲覧。
  17. ^ 【高速バス】長野・松本・茅野 - 千葉線の経路変更・ダイヤ改正について | アルピコ交通株式会社”. 長野のバス・鉄道ならアルピコ交通株式会社. 2023年8月7日閲覧。
  18. ^ バス路線に関する「生活交通維持・確保計画」についてのお知らせ (PDF)[リンク切れ]
  19. ^ a b c 「成田空港へのアクセス交通の現状を見る」『鉄道ジャーナル1981年8月号』第174号、92-93頁。 
  20. ^ 「Bus Corner:成田空港連絡バスが様変わり」『鉄道ジャーナル1991年6月号』第296号、142頁。 
  21. ^ a b c コミュニティバス 成田市公式サイト
  22. ^ サークルバス 2018年6月1日ルート変更! サークルバスで成田を楽しもう!成田ホテルバス連合会ホームページ

関連項目[編集]

外部リンク[編集]