幸島司郎

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幸島 司郎(こうしま しろう、1955年 - )は、日本動物行動学者。京都大学野生動物研究センター教授を経て名誉教授・元センター長。専門は動物行動学、生態学、雪氷生物学[1]

略歴[編集]

愛知県名古屋市熱田区出身[2]東海高等学校卒。京都大学理学部に入学後、山岳部に所属した。日高敏隆研究室に入り、卒業論文ではセッケイカワゲラを研究した[3]。京都大学大学院理学研究科博士課程満期退学日本学術振興会奨励研究員、同特別研究員、京都大学研修員を経て、1990年、35歳で東京工業大学理学部助教授、東京工業大学大学院生命理工学研究科助教授(准教授)を経て[4]、2008年から現職。2011年10月16日~2017年10月15日 野生動物研究センター長。

実績[編集]

1982年にヒマラヤへ行き、氷河に住む昆虫ミジンコ(ヒョウガソコミジンコ)を世界で初めて発見し[2]、長年無生物的世界であると見られてきたヒマラヤの標高5000mを超える高山域にも生態系があることを明らかにした[5]

1985年 京都大学 理学博士「Biological studies of a Himalayan glacier : Yala glacier, Langtang region, Nepal(ネパールとヒマラヤ、ヤラ氷河の生物学的研究)」[6]

2009年3月には、独創的な研究に取り組んできた京都大学の5人の研究者の一人として、名古屋市で開かれるシンポジウム「京都からの提言~21世紀の日本を考える」で講演している[2]

2011年、神戸市立須磨海浜水族園の懸賞事業、第2回神戸賞の選考委員を務めた[7]

2012年(平成24年)4月1日から5年間、マレーシアサバ大学ブラジル国立アマゾン研究所インド理科大学院とともに、日本学術振興会の研究拠点形成事業(先端拠点形成型)の実施組織代表者を務めている[8]

脚注[編集]

  1. ^ 京都大学野生動物研究センター
  2. ^ a b c [知のあけぼの](1) 野生動物研究センター 幸島司郎教授…生物学”. 読売新聞 (2009年2月21日). 2013年1月27日閲覧。
  3. ^ 「雪に閉ざされた世界から地球環境を覗くことができるんです」”. NTTコムウェア. 2013年1月27日閲覧。
  4. ^ 氷河に棲む生き物たち”. アットホーム (2003年1月). 2013年1月27日閲覧。
  5. ^ 『ヒマラヤの氷河生態系』”. 雲南懇話会 (2007年3月). 2013年1月27日閲覧。
  6. ^ 博士論文書誌データベース
  7. ^ “須磨海浜水族園”「第2回神戸賞選考委員会」を開催します!!”. 神戸市 (2011年12月20日). 2013年1月27日閲覧。
  8. ^ 研究拠点形成事業 平成24年度 実施計画書”. 日本学術振興会. 2013年1月27日閲覧。

外部リンク[編集]