南国太平記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

南国太平記』(なんごくたいへいき)は、1931年昭和6年)6月12日から10月17日まで「東京日日」「大阪毎日」に発表された直木三十五小説(挿絵は石井鶴三)、および本作を原作とした映画作品である。幕末薩摩藩における内紛(お由羅騒動)を題材としている[1]。小説は大ヒットし、直木の月収は1000円を超えたとされている[2]

ビブリオグラフィ[編集]

フィルモグラフィ[編集]

本作を原作に生前、没後を含めて10本の映画がつくられた。直木原作の映画全体の20%を占める。最初の映画化は1931年で、松竹下加茂撮影所作品と東亜キネマ京都撮影所作品が1月10日に同日封切りされるという異常な人気を示した。同年内に5本の『南国太平記』シリーズが競作された。没後の5本を含め、全10作がすべて京都の撮影所で製作されている。

松竹下加茂撮影所 - 1931年
東亜キネマ京都撮影所 - 1931年
J.Oスタヂオ - 1937年
東映京都撮影所 - 1954年
東映京都撮影所 - 1960年
テレビドラマ - 1979〜1980年に『風の隼人』のタイトルでNHK総合テレビで放映された。

脚注[編集]

  1. ^ 北上次郎 (2018年1月23日). “「直木賞」の産みの親が86年前に上梓した、とびきり面白い時代エンタテインメント!『南国太平記』”. カドブン. KADOKAWA. 2023年6月17日閲覧。
  2. ^ 抜群の執筆力、代表作「南国太平記」『中外商業新報』昭和9年9月25日(『昭和ニュース事典第4巻 昭和8年-昭和9年』本編p484 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)

関連作品[編集]

  • 『益満休之助』 - 本作の続編。本作に登場する架空の人物も引き続き登場する。1935年に極東映画製作、羅門光三郎主演で映画化されている。

外部リンク[編集]