不審庵 (小説)

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不審庵』(ふしんあん)は、太宰治短編小説。「黄村先生」シリーズのうちの一つ。

概要[編集]

初出 『文藝世紀』1943年10月号
単行本 佳日』(肇書房、1944年8月20日)
執筆時期 1943年9月上旬完成(推定)[1]
原稿用紙 21枚

妻の美知子は本作品のもとになったエピソードを次のように紹介している。

「『黄村物』の一つ『不審庵』は、十八年の夏ごろ書きました。その年の春、甲府で、珍妙な茶会を致しました。母が亭主で、ひとりまじめでございましたが、客になつた、太宰も私も妹も、お菓子やお酒がめあての、至つて不謹慎な客で、げらげら笑つてばかり居て、めちやめちやな茶会になりました。その会のあと、母が『千家秘伝、茶の湯客の心得』といふ古色蒼然たる明治十七年版の珍本と、萩焼の茶碗と、棗と、佐藤一斎先生の軸を贈つてくれました。一斎の軸は、わり合に太宰も好きで、始終、三鷹の家に懸けてをりました」[2]

あらすじ[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 『太宰治全集 第6巻』筑摩書房、1990年4月27日、416頁。解題(山内祥史)より。
  2. ^ 『太宰治集 上巻』新潮社、1949年10月31日。井伏鱒二の解説で引用された「美知子夫人の手記」より。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]