リスデキサンフェタミン
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
販売名 | Vyvanse(バイバンス、ビバンセ)、Tyvense、Elvanse、Aduvanz、Venvanse |
Drugs.com |
国別販売名(英語) International Drug Names |
MedlinePlus | a607047 |
胎児危険度分類 |
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法的規制 |
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投与経路 | 経口 |
薬物動態データ | |
生物学的利用能 | 96.4% |
代謝 | 赤血球において加水分解(プロドラッグ)、肝臓(デキストロアンフェタミン) |
半減期 | 1時間以下(プロドラッグ)、10–13時間(デキストロアンフェタミン) |
排泄 | 腎臓: ~2% |
識別 | |
CAS番号 | 608137-32-2 |
ATCコード | N06BA12 (WHO) |
PubChem | CID: 11597698 |
DrugBank | DB01255 |
KEGG | D08130 |
化学的データ | |
化学式 | C15H25N3O1 |
分子量 | 263.385 g·mol-1 |
リスデキサンフェタミン(英: Lisdexamfetamine、L-リシン-D-アンフェタミン)は、デキストロアンフェタミンのプロドラッグであり、主に小児期における注意欠如・多動性障害(ADHD)でメチルフェニデートやストラテラに代わって使われる。また、成人期における中重度の過食性障害(BED)の治療に使われる薬剤である[1][2][3]。
リスデキサンフェタミンメシル酸塩として調製され、北米・豪州・イスラエルでの商品名はVyvanse(シャイアー)、日本ではビバンセ(武田薬品工業[注 1])である[5][6]。本剤は、経口投与により小腸から吸収され、赤血球のアルギニルアミノペプチダーゼによりデキストロアンフェタミン(アンフェタミンのD型異性体)とL-リシンに加水分解される。この変換は徐々に起こるため、活性体であるデキストロアンフェタミンの急激な血中濃度上昇を抑制するとともに、血中濃度を持続的に維持することが出来る。デキストロアンフェタミンはノルアドレナリンおよびドーパミンの放出促進と再取り込み阻害によって中枢神経に作用する。
デキストロアンフェタミンは向精神薬(精神刺激薬)であり、そのプロドラッグであるリスデキサンフェタミンは、英国ではクラスB/スケジュールII薬物、米国ではスケジュールII規制薬物、日本では覚せい剤原料[7]に指定されている。
副作用[編集]
最も多く見られる副作用は食欲減退 (79.1%)で、次に不眠 (45.3%)、体重減少 (25.6%)の順である。稀にレイノー現象、幻覚や攻撃性、霧視 (目のかすみ)、痙攣や好酸球性肝炎、呼吸困難が起こる。[8]
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ ビバンセは販売開始以来、塩野義製薬とライセンス契約を締結したシャイアーの両者によるプロモーションが行われており、2019年にシャイアーが武田薬品工業に買収された後も塩野義と武田の両者によるプロモーションが継続されていたが、2023年4月以降は武田の単独プロモーションに移行。塩野義が取得していた製造販売承認についても武田へ承継されている[4]。
出典[編集]
- ^ Abuse-resistant amphetamine prodrugs. United States Patent US7659254B2
- ^ “Lisdexamfetamine Dimesylate: A Review in Paediatric ADHD”. Drugs 78 (10): 1025-1036. (2018-06-19). doi:10.1007/s40265-018-0936-0. PMID 29923015.
- ^ 日本では、過食性障害(BED)に対しては未承認・適応外である。
- ^ “注意欠陥/多動性障害治療剤「インチュニブ® 錠 1mg・3 mg」・「ビバンセ®カプセル20mg・30mg」 に関するオプション権の行使と共同開発・商業化に関するライセンス契約終了について”. 武田薬品工業、塩野義製薬 (2022年10月31日). 2022年10月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月23日閲覧。
- ^ 薬食審・第一部会 塩野義の小児AD/HD治療薬など9製品審議、承認了承 ミクスOnline 2019年2月22日
- ^ 欧州ではElvanse、Aduvanz、Tyvense、ブラジルではVenvanseの名でも販売されている。
- ^ 新たに1物質を覚醒剤原料に指定し、規制の強化を図ります 厚生労働省 2018年2月21日
- ^ “医療用医薬品 : アトモキセチン (アトモキセチン錠5mg「トーワ」 他)”. www.kegg.jp. 2024年2月19日閲覧。
関連項目[編集]
- アンフェタミン
- プロドラッグ
- 注意欠如・多動性障害(ADHD)
- アトモキセチン (ストラテラ)
- メチルフェニデート